【産業天気図・造船】受注ブームに沸くも収益的には厳しく『曇り』が継続

船舶需要は根強く、造船受注は依然として活発だ。造船各社はすでに3年分前後の仕事量を抱えており、社によっては2009年の受注を取りにいっているところもある。04年の受注は前年比19.3%増の1906万総トン(標準貨物船換算トン数では13.7%増の1005CGT)と、2年連続の増加となった。
 引き合い活発とはいえ、造船各社はすでに長期の受注残を抱えている。今後の受注は資材高と為替のリスクを抱えながらのものとなるため、三菱重工業では鋼材使用量の少ないLNG船に傾斜、業績好調の住友重機械工業は無理せず新規受注を抑制するなど、各社各様の対応が見られる。
 受注ブームに沸く造船業界だが、収益的には喜べない。現在完工してくる船舶は2~3年前の低価格、円安時に受注したもので、資材高と円高の直撃で軒並み赤字。05年度は4月から鋼材がトン1万円程度値上げされる。需給逼迫から、交渉と言うより、一方的通告に近いようだ。10月には、さらにトン5000円の値上げが予想され、収益への影響が懸念される。
 資材調達難による工期の遅れも深刻。大手では業績への影響も出始めている。
【田中房弘記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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