「好きなことで稼ぎたい人」がだいたい陥るワナ 好きなことと稼げることは別物という現実
自分が本当に好きなものは、まずはちょっとした兆しみたいなことで十分です。それは趣味程度のものかもしれないし、出会ったばかりで豊富な知識や経験があるものではないかもしれません。
この10年でクライアントを通して見えてきた事実は、自分の好きなことが仕事になった人のほとんどは、初めからこれが仕事になるとは考えてもいなかったことがほとんどだということです。なんとなく面白そうなので続けてみたことや、時を経て改めてやり出した昔の趣味が結果仕事になったというだけなのです。
会社の研修として参加したら
私自身もそうでした。結果的にコーチングという好きなことが仕事になりましたが、初めから運命的な出会いだったわけではありません。会社の研修として少しめんどくささもありながら参加したのですが、いざ始めてみると面白かったので学びを続けていただけなのです。うまくいくときも、そうでない時もありました。それも含めなんとなく面白かった。でもそれは頭で理解したものではなく、やってみてわかる体験的な面白さでした。
学びがどう自分のキャリアに役立つのか、稼げるものになるのか。そういうことを真剣に考えたこともありませんでした。ある意味趣味のような感覚で、学びを続けたのです。
会社員をしながら資格を取るまで学んでいたため、同僚には「そんなに時間かけて学んで何になるの?」と言われたこともありました。そういう声を気にせず、ただ面白くて続けていったこと、「仕事にしなければ」「投資分を回収しなきゃ」そういう意識がなかったことが本当に良かったと思っています。
人は「しなければならない」と思えば思うほど身動きが取れなくなるものです。視野も狭くなり、焦りも出てきます。好きなことを仕事にするということが正解だという無意識の呪縛は、それ以外の発想を持つことを許さない、まるで見えない鎖のようなものです。コーチングをしていて、クライアントが困難な状況にあるときの多くは、何かしらこういった無意識の呪縛があると言ってもいいかもしれません。
何かを始めるには仕事にしたい、という気持ちはわかります。しかし、その発想だけに囚われると、何か新しいものを発見するような体験を逃してしまうかもしれません。次回はいかに好きなことを育むか、具体的な方法を見ていきます。
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