都会も地方も「似ている建物」で溢れている危機感 世界イチ住みたい街に携わる専門家の提言

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一方で、ここでよく起こる間違いは、行政は公という立場上、地元にあるすべての会社を平等に支援するべきだという認識を持ってしまうことである。

行政は市民の税金を預かって市の運営をしているため、そのお金の費用対効果を最大にしなければならない。そのためには産業統計の分析を行い、今後伸びる可能性が最も高いターゲット産業をいくつかに絞ることが重要だ。

ターゲット産業の絞り込みの方法は、地元でいちばん雇用の増加率の高い産業を縦軸、平均給与の高い産業を横軸とし、雇用の数を円の大きさに反映させることで、今後地元経済にいちばんいい影響を与える産業を洗い出す。チャートにすることで見える化して分析することができるのだ。

以下のチャートからは、今後注力すべきターゲットが何なのかということがみえてくる。

まちと一体化して戦略を立てる

ターゲット産業が明確になったら、その産業の代表的企業の経営者たちにヒアリングをして、共通の課題や成長機会について学び、どのような支援、規制緩和、優遇措置があれば、彼らの会社が成長できるのかを具体的に考えていくことが望ましい。

なぜならまちのイノベーションは、業界の垣根を超えて地域内の金融機関や、高校、大学、不動産会社、そして近隣の行政機関などと連携して、戦略的に取り組む必要があるからだ。

まちの課題が明確である場合は、地元の学生や、まちを出ていってしまった若者を集め、地元で面白いことをしている企業や研究者と共同で課題解決のアイデアを絞り出し、サービスや商品を作るのも手である。

また新たに何かしらのサービスや商品が生まれそうであれば、すぐに試作品を作り、行政や地域の会社で実験的に使用してみるといい。スタートアップ企業の商品も行政が率先して購入しフォローしていくことも大事な策である。

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