妻の「借金800万円発覚」で夫が深く反省した理由 金融リテラシー高め夫に欠如していたある感覚
この管理方法では、自分が主に支出する項目は自分で担い、共通項目は折半、もしくは項目ごとにどちらが負担するかを決める。残ったお金は、それぞれに貯金だ。お互いの自由度は高いが、相手の財布事情はつかめない。貯金に関して言えば、「相手がやってくれているだろう」と甘えが生じやすい。
横山さんはこの「夫婦別財布」は、「貯まりにくい」と考えている。
「家計を同じにする、『夫婦同一財布』のほうがいいと思います」
ここで、架空の根本家に登場してもらおう。夫・根本巌さんの手取り月収は30万円、妻・根本美由紀さんも同じく30万円。それを合算し、根本家の月収を60万円とする。ここから、巌さん、美由紀さんが、それぞれに使う「お小遣い」を引く。この時、何をお小遣いとするのか、きちんと決めるのが大切になる。
飲み会代は、お小遣いに含めるのに納得しやすい。では、クリーニング代や昼食代はどうか。そこを擦り合わせる。
巌さん、美由紀さんは各自のお小遣いを5万円として折り合えた。ふたり分10万円を引くと、残りは50万円。仮にその2割となる10万円を老後資金に向けた貯蓄にあてると、根本家として使える金額は残りの40万円。子どもがいれば、その教育費が出ていく。必要項目を洗い出しながら、何に重きを置くか夫婦で話し合う。「食費は重視しよう」「たまのレジャーは外せない」。最終的にどう分配するかは、夫婦ごととなる。
収入格差がある場合の家計管理
根本家のように、夫婦が同程度の収入で同程度のお小遣いを望む場合は、すんなり進みそうだ。「そんなものにお金をかけるの?」という項目があっても、「総額が同じだから仕方ないか」と妥協できる。しかし、次の丸山家のように収入格差、お小遣い格差があるとハードルが高くなる。
夫・丸山武さんの手取り月収は60万円。妻・丸山由香さんは、同30万円。武さんのほうが倍の収入があるが、武さんは「お小遣い5万円でやっていける」。ところが、半分の収入の由香さんは「仕事柄身なりに気を遣うし、交際費も確保したい。10万円ないとやっていけない」と主張する。
丸山家についての、僕個人の見解はこうだ。「由香さん、収入半分なのにお小遣い倍はないよね。5万円に節約して、収入が増えてから10万円にすべきでは」。僕は、横山さんも同意見と想定していたのだが、実際は全く違った。
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