妻の「借金800万円発覚」で夫が深く反省した理由 金融リテラシー高め夫に欠如していたある感覚
まずは横山さんに、我が家で起きた借金問題への説明から始める。
「私のクレジットカードを妻が無断使用したのに気がついたのが、19年5月です。聞いてゆくと、任意整理をして800万円の借金が残ったという。あれこれ話した結果、最終的には私が借金の肩代わりをしました」
こう言った瞬間、横山さんの顔が一瞬硬くなった。そして、短く問いを発した。
「なぜですか?」
それまでずっと黙って聞いていた横山さんには相当引っかかるポイントだったのだろう。僕も丁寧に説明することにした。
「僕も原則、妻に払わせるべきだと考えて話し合いを続けました。まず、『いくら、何に使ったかの状況整理をすべき』などと伝えました。妻はやる気がなかったので平行線となる中、義母から連絡が来ました」
「妻から借金について聞き出すため、僕は『力になるから、どんな状況か教えて欲しい』と言いました。その言葉を伝えられた義母が、『力になると言ったなら、どうにかしてくれないと』と迫ってきて。妻に加えて義母ともめることは避けたく、泣く泣く全額肩代わりしたのです」
この時点でさらなる突っ込みはなかったが、横山さんの表情の変化が気になって取材の中盤、もう一度聞いてみた。横山さんは、夫婦どちらかが作った借金を配偶者が精算することには「反対」の立場だった。
「僕が経験した中でお伝えすると、借金を助けることはあまりよい方向に行かないのです。厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、一回、苦しんでもらったほうがいい。そうしないと借金を作った原因や自らの金銭感覚を見つめられません」
「仮に僕の妻や子どもが借金を作ったとします。債務整理をする手続き費用ならば、僕が出します。ただし、借金そのものを返すことはないです。自分で返済しないと、後でまた借金をしてしまうものですから」
「財布は一つ」の関係がベスト
横山さんによれば、借金問題を抱える夫婦のうち2割は、妻に責任がある場合だという。妻が夫に内緒で、家計の一部を借金返済に回す。せっかく、スマホプランや保険の引き下げを実施しても、「なんだか我が家は貯金できないまま」となりかねない。結局はうまくいかないことになる。
話を借金から夫婦の財布のあり方へと移していこう。
総務省の労働力調査(21年)によると、共働き世帯1247万世帯に対し、専業主婦世帯は566万世帯。倍以上の差となっている。この共働き世帯の増加と共に、家計では「夫婦別財布」が増えている。僕ら富岡家もそうだ。
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