大手ホワイト企業への転職で地獄を見た男の告白 飲み会で人事評価、連日エクセルで単純作業…

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2社目に入って3カ月目には再び転職活動をスタート。そこから半年後に3社目の内定をもらった。

3社目は自分の適性を考えて、大手企業から中小企業に変えたという。

「給料もグンと減りました。家賃補助もなくなって、引っ越しもしました。それでも、転職して断然よかったと思います。仕事にやりがいをもてたし飲み会も強制じゃない。飲み会に参加しても、普通に楽しかったです」

3社目では、生き生きと働くことができた安斎さん。その後も、何度か転職を経験するが、他社からの引き抜きや、興味をもった分野への転職など、どれも前向きな理由だったという。現在は新卒から数えて5社目の会社に在籍しているが、とても充実しているそうだ。

メンタルを壊すより軌道修正

今までの経験を振り返ると、2社目の会社に入ったことは失敗だったとハッキリ語る。1社目から早く出たいという気持ちが先行してしまった。もっと考えて転職してもよかったのかもしれない。

しかし、転職エージェントを利用して、転職本も数冊読んで、傾向と対策をノートに記し、業界も大まかに絞った。当時の自分に、あれ以上何ができたのかという本音もあるそうだ。そして安斎さんはこう語る。

「いくつか転職して思ったことは、『置かれた場所で咲きなさい』とか『嫌ならすぐに転職する』とか、両極端になる必要はないと思います。割り切って安定した会社に居続ける選択肢もあるし、転職するのも勇気がいりますから。ただ、自分が良かれと思って選んだ道がそうではなかったら、軌道修正していいと思うんです。無理してメンタルを壊すより、自分の意志で、人に人生を預けないで生きられるといいなと思います。転職回数が増えることにネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれないけど、周りは関係ないですね。自分の人生ですから」

安斎さんは、社会人になった頃から、定年まで1つの会社にいるつもりはなかったが、30代で5社経験するとも思っていなかったともいう。

転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント
小説『転職の最終兵器』は、安斎さんが実体験をヒントに創作した架空の会社員の物語です。『転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント』(かんき出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「これからも自分の環境に合わせて転職する可能性はあると思います。こういった考え方になったのは、2社目を経験したからかもしれないです。いろいろ吹っ切れた部分もあるし、自分がどうありたいか、決断ができるようになったんだと思います」

一度決めた道を全うすることは素晴らしい。継続できるスキルも必要かもしれない。ただ、必ずしも自分が抱いた方向に進むとは限らない。または、道を進む途中で気持ちが変わることもあるだろう。

人は感情の生き物だ。心に違和感があれば見過ごさない。その都度、軌道修正をしながら進んでもいい。自分の人生を自分の意志で決めた安斎さんから学ぶものは大きい気がしてならない。

松永 怜 ライター

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まつなが れい / Rei Matsunaga

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。 好きな場所は甲子園と神宮球場。地方大会から高校野球の応援に行くことも。そのほかライブ鑑賞、アクリル画を描くことが好き。

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