大手ホワイト企業への転職で地獄を見た男の告白 飲み会で人事評価、連日エクセルで単純作業…
そもそも、”一気飲み”はいまだに残る文化なのか。服を脱いだら盛り上がるのは伝統か。そしてセクハラは――。昭和の話ではない。すべてここ数年前の話だ。
昼休みの過ごし方にもルールがあった。昼休みは12時~13時だが、前の会議が11時58分に終わって外に出たら、「2分早いけど、外出届は出したのか」と先輩がすっ飛んできた。
そもそもランチは同じ部の、同じ島のメンバーでいく暗黙のルールがあった。「さっきまで仕事をしていたメンバーと、同じエレベーターに乗って、同じ食堂で食べるんです。場所が仕事部屋から食堂に変わっただけですね」。
日に日に居心地の悪さは増すばかり。はじめは、「慣れたら大丈夫」と自分に言い聞かせた。しかし、休日になっても会社のことが頭から離れなくなり、徐々に限界を感じてきたという。
「かなり苦労して転職活動をしたのに、いざ入ってみたら全然想像と違って。その葛藤がつらかったです」
もうこの会社には長くはいられない。転職して3カ月経った頃、再び会社を変えようと心に決めた。
次第に干されて…
転職する覚悟が決まると、安斎さんの行動も変化した。
まず、ランチは1人で外に出た。飲み会は、送別会など部で開催するような大きな飲み会以外は参加するのをやめた。
初めは、「どうしてみんなと一緒に行かないのか?」と、周りから散々言われたが、すでに転職する覚悟を決めていた安斎さん。何を言われても右から左に言葉が抜けた。
次第に飲み会に呼ばれなくなり、送別会など部をあげた飲み会に参加しても、安斎さんに話しかけてくる人はほぼいなくなった。遠くの席で、新人が先輩にチヤホヤされる姿をボンヤリ眺めながら時間が過ぎるのを待った。
「干されましたね。仕事は滞りなくやったつもりですが、あいつは飲み会にも来ないとんでもないやつだ。飲み会に来ない=仕事ができないといった扱いを受けて、みんなから疎まれていたと思います」
まるで、劣等生の気分だったという。
再びの転職活動。不安もあったが、それでも1社目から2社目に転職した際、会社には不満があっても「内定をもらえた」ことは自信に繋がったという。時間が掛かっても、どうにかなるだろう思ったそうだ。
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