旭化成、「電池用セパレーター」拡大策の課題 米社買収を狙うが高シェアが障壁に?

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同事業は、リチウムイオン二次電池用セパレーター「セルガード」が売上高1.3億ドルを占める一方、鉛蓄電池用セパレーター「ダラミック」が3.1億ドルを稼ぎ出している。すでに成熟した技術で、売上高の8割は交換需要。自動車の保有台数に比例して成長が続いており、安定して高収益が望めるのだ。旭化成では鉛蓄電池用にはセパレーターを供給してこなかっただけに、新たに安定収益源を確保することは大きな意味を持つ。そして、中期で拡大を見込んでいる車載向けにも大きな布石を打つことになる。

利益貢献は3~4年後

旭化成のセパレーターは湿式という生産方式。価格は高めだが、一度の充電で長距離ドライブを実現する。一方、ポリポアの生産方式は乾式。走行距離に劣るものの価格の安さから一定程度の比率で採用が進んでいる。旭化成では、将来の車載用途の拡大を見据えた場合、その両方が必要と判断したという。

ただ、今回の買収には障壁が立ちはだかる。セパレーターの世界シェアが5割に達するとみられることから、各国の規制当局の承認を得る必要があるためだ。このため、会見でも買収後のシェアについて浅野社長がコメントを控える場面が目立った。時期についても「できるだけ早期に、希望としては年内実現を目指したい」と曖昧な表現にとどまった。

また、のれん償却も発生してくるが、これをこなして利益貢献が始まる時期として3~4年後という目標を掲げる。車載向けは長期戦を覚悟しねければならず、「両社の技術を合わせた新製品の開発に注力したい」(浅野社長)。それまでは、交換用バッテリーの需要が旺盛な鉛蓄電池材料が稼ぐ格好になりそうだ。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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