快走パナソニック、足元に残る"不安"とは 中期経営計画を1年前倒しで達成へ
中期計画を1年前倒しで達成ーー。パナソニックは10月31日、2014年度中間期(4~9月期)決算を発表した。売上高3兆7229億円(前年同期比0.4%増)、営業利益1770億円(同20.7%増)と堅調。通期計画は営業利益3500億円(同14.7%増)と従来計画から400億円上方修正した。
営業利益3500億円は、津賀一宏社長が13年3月に発表した13年度からの3カ年中期計画の目標値。パナソニックはこの計画を1年前倒しで達成する見通しとなる。13年度からのフリーキャッシュフローの累計額も今年度で8000億円を超える見通し。3カ年での目標値6000億円以上の達成は確実だ。
通期売上高見通しは据え置き
「(営業利益と累計フリーキャッシュフローに加え)15年度の営業利益率5%の目標達成も視野に入ってきている」
会見で津賀社長は、業績の改善ぶりに自信を示した。足元では車載用のコックピット周辺機器や住宅用の太陽電池、法人向けパソコンや家電分野のモーター部品が堅調。主にパナソニックが注力する車載・住宅・BtoB(法人向け事業)の3分野の販売が伸長した。中でも住宅用の太陽電池の伸びは想定以上で、通期計画の上方修正につながった。
ただ、増益要因としては、むしろ人件費などの固定費圧縮や構造改革効果が大きかった。売上高については、不採算のプラズマテレビや国内の個人向けスマホからの撤退もあり、為替や事業譲渡の影響を除けば、今上期の実質ベースで前期比249億円の減収。「今はまだ構造改革の最中。売り上げのベースは下がっている」(津賀社長)。今通期の売上高計画についても、7兆7500億円(前期比0.2%増)と従来計画を据え置いた。
パナソニックは創業100周年の18年度に、売上高10兆円の目標を掲げる。そこへ向け、当初は13年度からの3年間で、テレビや半導体といった課題事業の構造改革をやり遂げ、各事業部でも営業利益率5%以上に収益を改善。あくまで3年間は採算改善を重視したうえで、16年度から成長への投資を加速させる構えだった。
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