津賀パナソニック、反転攻勢は本物か

赤字脱出という「光」に潜む「影」

死者がよみがえったかのような大騒ぎに、いちばん戸惑っているのは当事者かもしれない。

「決死の変身」「業績回復鮮明」「実行力が明暗わけた」――。今春、パナソニックが2013年度(2014年3月期)の黒字決算を発表した後、新聞各紙にはパナソニックを称賛する見出しが躍った。

かつてニッポンの家電業界を牽引したパナソニック、ソニー、シャープは、薄型テレビへの巨額投資で窮地に陥った。スマートフォン事業を復活のカギとしたソニーは早々に挫折し、パネル以外に大きな柱を持たないシャープもさえない。巨額赤字から脱したパナソニックに、「家電復活」の期待が集中している。

一時的な業績回復は当然

だが、一時的な業績回復は当然のことだ。2011年のパナソニック電工と三洋電機の完全子会社化で、売上高はカサ上げされた。さらに11年度、12年度と2期連続で7000億円超の最終損失を計上し、プラズマの尼崎工場や三洋電機買収に伴うウミを出し切った。これで利益が出ないのなら、パナソニックはとうの昔につぶれている。

2年前に大坪文雄前社長からバトンを受けた津賀一宏社長は、肥大化した本社のスリム化や不要資産の売却と、矢継ぎ早に手を打ってきた。2014年4月には、「値崩れしにくいビジネスモデルを学べ」と、花形だったテレビ部門を、大胆にも白モノ家電部門の傘下へ追いやった。

就任時に「利益重視」と宣言しながら、いつの間にか既成事実となった「売上高10兆円」目標。実現には、成長の柱とした車載と住設事業でそれぞれ2兆円を稼がなければならないが、ターニングポイントとなるような目立った成果はまだない。

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