ソニーの”顔”、スマホ失速の衝撃 最終大赤字で上場来初の無配転落
「こだわったのは0.7ミリメートルの薄さ。これは(部材の)イメージセンサーを内製化しているから実現した。カメラやデバイスの出身者が一つのチームになって、進化を支えている」
9月初旬にドイツ・ベルリンで開催された家電の見本市「IFA」。そこでソニーが発表したスマートフォンの新機種「Xperia Z3」の開発担当者は、製品の魅力を滔々と語った。スマホといえば、ゲームやイメージセンサーとともに、ソニーが注力するコア事業の一つ。その旗艦モデルである「Xperia」の最新機種は、IFAの発表でも大きく時間を割かれ、大々的にPRされた。まさにソニーの“顔”とも言える商品である。
平井一夫社長自身、IFAの席上で、「スマホがデジカメの需要を食っていると言われるが、そのトレンドに逆らっても意味がない。ソニーのあらゆる技術をスマホに積極的に入れている」と力を込めた。
ソニー回復の牽引役は、やはりスマホ。そう感じさせるほどのアピールぶりだったが、その2週間後――。
「完全子会社化」の失敗
「このような厳しい決定に至ったことを、大変重く受け止めております」
IFAの場とは一変し、スーツとネクタイで正装した平井社長は、東京・品川の本社で、記者や証券アナリストを前に、深々と頭を下げた。
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