経産省が促す「石化再編」、その狙いとは?

米・中で新設ラッシュ、押される日本勢

石油化学工場は供給過剰になっていく(撮影:大澤誠)

11月7日に経済産業省が発表した調査報告書が、国内の石油化学工場の再編を加速させそうだ。

同報告書は、供給過剰が懸念される市場について、その実態を公表して再編を促す、「産業競争力強化法50条」に基づく措置である。

足元の業績は好調だが・・・

もっとも足元の化学メーカー各社の業績は好調だ。代表的な基礎化学品である、エチレンのプラント稼働率は9割を超過している。ただ、これは、円安に加えて、海外のエチレン工場の操業トラブルが相次いだことなど、一時的な“敵失”が追い風になった点も否めない。

実際、メーカー側も中長期的な視点から、すでに自主的な能力削減に着手している。今年5月に三菱化学は鹿島工場の一基を停止。さらに2015年5月に住友化学の千葉工場、16年4月には旭化成の水島工場が停止する。この結果、国内のエチレン年間生産能力は、現在の720万トンから640万トンまで下がる。それでもまだ生産は過剰な状況と報告書は指摘する。

その理由に挙げられるのが、米国で採掘が進むシェールガスを利用した、エチレン工場の新設だ。中国でも、自国で大量に産出される安価な石炭による、エチレン工場を造ろうとする動きが目立っている。報告書では、これらを考慮すれば、20年の国内エチレン生産の適正水準は470万トンまで減少する可能性がある、としている。

次ページ焦点は千葉エリア
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 岐路に立つ日本の財政
  • CSR企業総覧
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT