中国市場は"捨てる"、日本触媒の自信

工場の爆発事故から2年。池田全德社長に聞く

高吸水性樹脂は「年率5~7%ぐらいの成長が見込めると思う」と述べた池田社長
紙おむつ向け高吸水性樹脂(SAP)の世界最大手、日本触媒は姫路工場に生産の7割を集中し、抜群の効率性を実現していた。その姫路工場が爆発事故を起こしたのが2年前。事故前、日本触媒は隣接する木材港を埋め立て、姫路の集積度をさらに高める計画を持っていた。
事故で埋め立て計画は消えたが、日本触媒は成長戦略を再起動させる。新たな設備投資計画の中で姫路と「日本」はどう位置づけられるのか。そして、最大の顧客であるP&Gとの関係はどうなるのか。池田全德社長に聞いた。

 

――姫路工場でSAPの増設を決めました。

事故後、姫路の復旧を最優先とし、新規計画は凍結した。が、最後まで再開許可が下りなかったアクリル酸プラントも今年2月に再稼働し、次の拡大策を起動する条件が整った。

当初はBCP(事業継続計画)の観点から、もう姫路では新プラントは作るまい、と思っていた。事故は二度と起こさないし、起きないと思うが、万が一ということがある。

だが、今後のSAPの競争環境を考えると、従来の1系列3万トンを5万トンに拡大してコスト力を強化したい。新しい実証プラントは、やはりマザー工場の姫路で立ち上げるのが一番いい、となった。工期は約2年。海外で作れば、工期は3年、建設費も倍かかる。

事故前にあった姫路の増強計画

――地元姫路への配慮もあった?

2年前の事故の直後、姫路市長にお詫びに伺った。そのとき、「事故に対しては厳しい措置を取ることになると思うが、姫路からは出て行かないで下さい」と言われた。

実は、事故が起こる前には、姫路工場の西側にある木材港を埋め立て、将来的にここにSAP20万トンと、SAPの原料となるアクリル酸16万トンの設備を建設する計画を持っていた。もともと、所有者の兵庫県はこの木材港をプレジャーボートの基地として開発する予定だったが、知事にこちらの計画をお話し、用途転換を決断していただいた。

ところが、広大な土地を購入した途端、事故を起こしてしまった。もちろん、悪いのは事故を起こした私ども。SAPの最大の顧客からも「これ以上、姫路に集中しないで欲しい」と言われて、県知事にお断りを入れた。「残念ですね」とおっしゃった。

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