中国市場は"捨てる"、日本触媒の自信

工場の爆発事故から2年。池田全德社長に聞く

――捨てている?

どうしても欲しいなら、高品質のものを高く売ってあげる。現状の中国工場の3万トンが売れれば、それでいいんです。

今の中国メーカーは各省ごとに競ってプラントを作っている。SAPもアクリル酸も、いずれ中国は自給自足するようになるでしょう。それもまたよし。ただし、(中国が)外へ出て来るようなことがあったら、当社はきちんと応戦するよ、ということです。

日本の皆さんは中国を当てにするからいけない。中国はたかだか13億人。世界には50億人の市場があるんですから。

――20年度の売り上げ目標5000億円(13年度3021億円)を掲げています。

さっき言った18年半ばのSAP、アクリル酸各10万㌧と並行してシンガポールのアクリル酸も16万トン増設します。(5000億円を達成するためには)来年中にその次も決めておかねばならないでしょう。引き続き、川崎も千葉も「次」の候補地になる。

最大顧客とガチガチの関係

事故後、「最大顧客向けはほぼ元に戻っている」と話す池田社長

――日本触媒の最大顧客が日用品の世界トップ企業であることはよく知られています。爆発事故で姫路のSAPプラントが止まっている間、顧客との関係はどう変ったのか。

一時的に他社の参入を許した。最大顧客は当社が供給できない分を韓国や中国などから調達していたと思う。

ただ、これまで当社はSAPの半分以上を最大顧客に売っていた。最大顧客の方も全調達量の半分を当社から購入していたのではないか。こんなガチガチの関係はよくない、相手のシェアを50%以下に下げたい、という思いは以前から双方にあった。

しかし、最大顧客は「安かろう悪かろう」ではなく、品質にこだわりますから。「こうせい、ああせい」という厳しい要求に付いて行ったのは、ウチだけだと思っている。言わせてもらえば、紙おむつの性能についてはおんぶに抱っこの関係。ですから、足元、最大顧客向けはほぼ元に戻っている。

従来、増設した分は大半、最大顧客が吸収した。これから先は、どうなるんでしょう。彼らが市場シェアを落とさない限り、同じことになってしまうかもしれない。

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