「100年前の東大入試」で本当に出た数学の超難問 明治の東大生を「唸らせた」ディープな奇問たち
積分、二次曲線に続いては、微分系の問題です。出題テーマは「偏微分の等式証明・Helmholtz方程式」で、問題文が英文と数式だけで構成されています。驚きですね。
この微分方程式は、物理でよく登場する方程式そのものです。当時の入試数学では、このように物理と関係した問題もよく見られましたが、大学の物理で扱う偏微分方程式が入試で登場するとは、現代では見られないことですね。
ひたすら微分計算をするのですが、分子にも r の関数が乗っているため、計算が複雑になります。対称性や次数、符号のミスに注意が必要です。
ここまで紹介した3問のように、積分、二次曲線、微分に関連した問題が当時のトレンドでした。そのなかで、ごく少数ではありますが、確率の問題もありましたので、ご紹介します。
出題テーマは、「いつ終わるか不明なゲーム」です。
シンプルなルールのゲームですが、何回札を引けば勝負がつくかはわかりません。
そこで、このゲームが過去の「履歴(これまでの結果)」に影響しないことに着目し、無限等比級数を考えることにより、両者の勝率を求めます。
100年前の入試問題を象徴する超難問
では最後に、とっておきの超難問をご紹介しましょう。「各辺の長さを与えた四角形の面積の最大値」に関する問題です。
問題も解答も短くシンプルで、100年前の入試問題を象徴しています。
具体的な量が何も与えられていないため、自分で定義することからはじめる必要があります。三角形の成立条件や角度の変域にも要注意です。
なお、四辺の長さの順番は、入れ替えられないものとしますが、最後には興味深い事実が明らかになります。
いかがでしたでしょうか?
数学は、奥深く、面白い。そして、現代のテクノロジーの根幹にあったり、統計などさまざまな分野で活用されていたりします。
今回ご紹介した5問以外にも、およそ100年前当時の東京帝國大學の入試数学には、面白い問題が多くあります。当時の受験生になったつもりで楽しんでいただき、数学の面白さを堪能していただけると、とてもうれしく思います。
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