「100年前の東大入試」で本当に出た数学の超難問 明治の東大生を「唸らせた」ディープな奇問たち
また、「微分」に関連した問題も多く出題されていて、現代とは違い、逆三角関数の微分や偏微分、Taylor展開も試験範囲に含まれていたのが特徴的です。近似値を求めたり、物理に登場する偏微分方程式を扱ったりと、当時ならではの面白い問題がいくつも出題されていました。
一方で、整数の問題は、現代の東大入試と比べて圧倒的に出題数が少なく、全体のわずか1%程度です。現代でも問われる確率の問題も見られましたが、これも少数派だったようです。
旧字体、旧仮名遣い、常用外の漢字が使われていたり、言葉遣いが現代とは異なっていたりと、問題文も当時ならではで、味わい深いものばかりでした。難解であるものの、問題文を読むだけでも楽しい気分になります。
シンプルな設定ながらも頭を悩ませる良問。古めかしい問題文。思わず二度見してしまうディープすぎる問題のなかから、いくつかご紹介していきます。
まずは積分から、「円を回転させてできる立体の体積」を求める問題です。
「包圍する」という、現代とは異なる表現が使われています。こうした日本語の違いも、解くうえで楽しく感じられるところです。
解法としては、円上の点を媒介変数表示し、その変数で積分する方法で体積を求めます。回転体がくびれた形をしていることに注意する必要がありますが、媒介変数表示による積分ならシンプルに計算できるのです。
いったい何人がその場で解けた!?
続いては、二次曲線の問題。「放物線の軸を定規とコンパスで決定する方法」がテーマです。
短文で数式がなく、衝撃的な問題ですね。Twitterでこの問題をシェアしたときも、反響が大きかったです。証明まで含めると、いったい何人がその場で解けたのでしょうか。
定規でできるのは「任意の2点を通る直線を引くこと」、コンパスでできるのは「距離をトレースすること」「円を描くこと」あたりです。それらを組み合わせれば、本問のような作図ができます。
なお、たとえば放物線の一部だけが左右対称に描かれているときは、両端をむすんでできる線分の垂直二等分線が答えとなってしまうため、端がなくずっと続くものと考えましょう。
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