「人に合わせて付き合う人」に友達がいない理由 「格好悪い自分」を成功へ導く実話「Believe It」

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新しい仲間観がある

ただし、単に居心地がいい人と一緒にいればいいということでもありません。人間は、自分のエネルギーを下げたり、つまらなくしている人と付き合うほうが、気がラクなものです。

例えば、会社の同僚と飲みに行って、上司の悪口を言っているのは楽しいものでしょう。でも、それをやっているだけでは、どんどんつまらない人間になっていきます。

そうではなく、「これからこんなことをやりたいね」とか「どんなビジネスの可能性があるだろう」といったことで盛り上がれるほうが良い人間関係と言えるでしょう。

それによって劣等感に苛まれて、相手を遠ざけたくなったりする場合もあるかもしれません。それでも、本当は、そういう相手といるほうが、人間力や能力は高まるはずなのです。

だから面倒でも、自分を良くしてくれそうな人ときちんと付き合うのが大事ですよね。そして、そんな人間関係の中にいる自分こそが、「本当の自分」になっていくわけです。

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また「仕事は自分1人でやれていると思っていたけど、気がついたら、実はいろんなところで、いろんな人が助けてくれていた。自分だけでは得られなかったものを得ていた」という体験が書かれていますが、これもとても共感できるところです。

ジェイミーさんは、会社の中だけではなく、いろんな友人があちこちに点在していて、古い共同体の価値観とは違う、拓けた人間関係の時代の、新しい仲間観を持っている感じがあります。

かつての人間関係は、地域や会社、家族など、地縁、血縁、社縁ぐらいまででしたが、SNSが普及した今は、人間関係の幅がとても広くなっています。たまにしか会わない遠くの友人でも、ネットでつながっていられるので、疎遠になることなくずっと続く。

裏を返せば、どこで誰にどう支えられるかが、予期しえない社会になってきた。そういった点で、本書は、細かいコミュニケーションのハックがたくさん詰まった一冊とも言えますね。

(構成 泉美木蘭)

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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