経済全体の就業構造の変化を見るために、総務省統計局の産業別就業者数を参照しよう。
2018年においては、就業者数は6682万人、うち、医療・福祉は834万人だ。
どちらも、前記の「見通し」とは完全には一致しないのだが、ほぼ同じだ。違いは、「見通し」を作成した時点で、労働力調査の確報が得られていなかったからだろう(年度と暦年の違いもある)。
そこで以下では、つぎのように考えることとした。
・2040年について、就業者総数と医療・福祉就業者は、「見通し」の「計画ベース」の数字を用いる。
・他産業については、過去の趨勢が将来も続くと仮定する。
この考えに基づいて、2002年から2040年の期間について、各産業の就業者の就業者総数に対する比率を計算すると、結果は、図表1に示すとおりだ。
(外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
医療・福祉の比率は2002→2020年で2倍近くに
製造業、卸売・小売業、医療・福祉の就業者の全就業者に対する比率は、2002年には、それぞれ、19.0%、17.5%、7.5%だった。
製造業と卸売・小売業の就業者数が時系列的に減少しているため、この比率は、2020年には、それぞれ、15.7%、15.8%、12.9%となった。医療・福祉の比率は、この間に2倍近くになったのである。
2031年には、この比率が、15.85%、16.95%、15.90%となって、医療・福祉が製造業を抜く(卸売・小売業は、就業者数は減っているのだが、全体の就業者数の減少が著しいので、比率は上昇する)。
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