日経平均、円安に頼らなくても上昇へ

今の「重要な変化」を見逃すと勝ち抜けない

なぜ日経平均は、円安があまり進まなくても好調なのか?答えはこの写真の中にもある(春節で東京・秋葉原のLAOXを大挙して訪れる中国人観光客/写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

国内の株価と円相場との関連性が、薄くなっている。

数値を使った詳しい説明は、今回のコラムの最後にある「解説」を読んでいただきたいが、言いたいことは以下のことだ。昨年の末ごろまで、日経平均株価と米ドル円相場は、ほぼ相関関係にあった。つまり、円安と株高はほぼ同時平行的に進んだし、円高になると株価も下落したのだが、今年に入って相関関係が薄れてきているのだ。

この変化を見落とすと、今後のマーケットで勝ち抜けなくなる。それほど今の局面は大事なので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

なぜ為替相場との連動性が薄れたのか?

まず、そもそもなぜ少し前までは株高と円安が「手に手をとって進んだ」のだろうか。

振り返って考えると、2012年秋までは円高が行き過ぎて、一時は1ドル80円を大きく割りこんだ(最高値は75円台まであった)。

これでは「日本の輸出産業が傷んでしまい、景気が大きく悪化する」との懸念が生じ、株価も低迷していた。すなわち、過度の円高という「異常事態」にあったわけだ。これがアベノミクスをきっかけに円安方向への修正が進み、その修正過程が「円安→輸出回復による景気改善期待→株高」の図式だったのだろう。

しかし円相場の水準訂正は十分に進んだ。すなわち正常状態に戻ったとも言える。これまでの株高=円安は、正常状態へ復帰する過程で生じた現象である。

正常状態に戻った後は、「緩やかな国内景気回復→緩やかな国内株価上昇」と「緩やかな国内景気回復→日本買いによる緩やかな円高」が同時並行的に進んでもおかしくはない。

もちろん、為替相場は日本側の事情だけで決まるものではない。堅調に推移する米国経済が基調としては米ドル相場を支えるため、米国株式相場が大乱調に陥らない間は、大幅な円高・米ドル安にはなりそうもない。だが、日本株と円相場の関係が過去とは大きく変わり、「円相場が横ばいでも国内株価が上がる」、という形がありうるだろう。

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