「3年は祖父母が育児」母子で生き抜く起業の哲学 自己啓発書嫌いの人が共感する本「Believe It」

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私は、周りの人のことを信じたことが功を奏したと思っています。

とくに、スタッフをいちばん信じていました。誰かが「そんなことはできない」と言っていても、「いや、彼ならできるのではないかな」というように、自分の直感を信じて人に任せることもできます。

私が事業のすべてを細部まで見るのは限界がありますが、信じることによって、見えない細部までがきちんとできあがっていきます。1人では、ここまで大きなことは絶対にできませんでした。一緒にやってきた人を信じることで、実現していくのだと思っています。

私たちの取り組みに共感してくれる方々、これは価値があると思って納得してくれる方々を信じて、仕事に取り組めたらいいなと思っています。

笹船のように流されて起業

立場上、起業の相談をされますが、「起業なんて本当にやめたほうがいいよ」と思っています。

私自身、起業を目的にしていたわけではなく、どうやって仕事をしながら子どもを育てていこうかと考えた末にたどり着いたのが、自分で会社を作るということでした。だから、自分のことを「笹船」だと思っています。

私が運営するスクール「TECH PARK」の卒業生で、人気がある大学に進学した子など、大学でアントレプレナーシップというものを“習った”うえで、「起業しようと考えているのですが、私に足りていないのはここだと思っています」と相談をしてくることがあります。

でもそう聞くと、そもそもあなたはその事業を本当にずっとやれる? 今たまたまはやっているから、そういう話になっているだけではないの? と言いたくなります。この場合、大概は、過去に自分が触ってきたサービスや商品をベースにした事業になりがちです。

決してそれらを否定するわけではなく、「お母さんが困っていること」や「私が欲しいもの」のように、本当に課題だなあと感じていることに取り組むほうがいいと思います。もしそのニーズや自分の問題を解決する手段が、まだこの世にないのなら、起業してもいいのではと思います。私は、起業したいテーマが、自分の生活の感覚と密接であることが大事だと思います。

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