紀の国屋「廃業→再スタート」の知られざる経緯 カレーパン作ろうとしていた会社が引き継いだ

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また、別の流れで、埼玉県熊谷市の老舗和菓子店、梅林堂が、地域の和菓子文化を守るために7月1日に紀の国屋の4店を引き継いで梅林堂とすることを発表し、紀の国屋の元社員を7月9日時点で23人を採用している。

アイ・スイーツは、いかに紀の国屋の魅力を残しつつ再生させるかを試みている。時代に合わせた商品開発や、若い世代の取り込みなどの試みも、成功すれば和菓子の新しい可能性を開くだろう。

伝統と新機軸のバランスが重要に

近年、「ネオ和菓子」と呼ばれる洋菓子の要素を盛り込んだ新しい和菓子が、次々と誕生している。和菓子の世界は、急速にアップデートが進んでいる。同社も、そうした流れにのることができるかもしれない。

和菓子職人
店内の壁には職人の写真が(撮影:今 祥雄)

しかし、新しいだけでは和菓子の本来の形を見失いかねない。アイ・スイーツが今回、職人に光を当てようとしていることは、その意味で重要だ。和菓子は職人が高度で繊細な技術を用い、季節を表現するなどの魅力を持つ。

地域性も日本の文化の1つである。その技術を紹介することは、和菓子文化の再発見につながるかもしれない。いかに伝統を守りつつ、新機軸を打ち出していくか。匠紀の国屋と和菓子文化のこの先を見守りたい。

阿古 真理 作家・生活史研究家

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あこ まり / Mari Aco

1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。女性の生き方や家族、食、暮らしをテーマに、ルポを執筆。著書に『『平成・令和 食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)』『日本外食全史』(亜紀書房)『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた』(幻冬舎)など。

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