うまく泳げない親でも子どもに水泳を教える方法 バタ足とストロークなら誰でも教えられる
ステップ4:息継ぎありで板キック12.5〜25m
息つぎをしながら板キック12.5〜25mを目指します。これが習得できると、クロールの息つぎ動作の練習がスムーズに進みます。
基本的には、息つぎをしながら、ステップ3の板キックを行えばOKです。
「何秒吸って、何秒吐くか」は個人によって異なりますが、「水上で息を2秒吸って、水中で2秒止めて3秒吐いて、また水上で息を2秒吸う」くらいがやりやすく、クロールの呼吸の間隔にも近いです。
息を吸うときに、ビート板をグッとおさえつけたり、背中を大きく反らしたり、頭を上げすぎたりしないよう気をつけましょう。こうすると下半身が沈むため水の抵抗がかかり、前に進みづらくなります。
クロールの70%~80%はストローク(腕の動作)で進んでいます。クロールのストロークは、おおまかに次の5つに分解されます。それぞれ水泳の専門用語なので、意味とポイントを簡単に説明します。
① エントリー
エントリーとは、手を水に入れる動作です。ポイントは2つです。1つめは、「人差し指」と「親指」の指先から入水させることです。これにより入水時に受ける水の抵抗を減らすことができます。手を入水させるときに「バチャッ」と水しぶきが立つ場合は、このポイントを意識してみてください。
2つめは、腕を入水させた後すぐに水をかくのではなく、一度腕を前方に伸ばすことです。腕を前方に伸ばしたほうが水をたくさんかけ、伸びのある大きな泳ぎになります。
② キャッチ
キャッチとは、腕で水をとらえる動作です。こちらもポイントは2つです。1つめは、「指先」から「肘」の間で水をとらえることです。「手の平」だけで水をキャッチしようとすると、たくさんの水をとらえることが難しくなります。キャッチをイメージしづらい場合は「前方にある大きなボール(たとえばバランスボール)を『指先』から『肘』の間でとらえる」とイメージしてみてください。
2つめは、指と手首には力を入れすぎないようにし、指と指の間は軽く閉じておくことです。水は液体なので、力を入れすぎると上手くとらえられません。
③ プル
プルは、キャッチでとらえた水を後方へかく動作です。1つ目のポイントは、水に徐々に力を加えていくことです。プルの初期動作で力を入れすぎると、キャッチでとらえた水を上手く後方にかくことができなくなります。腕のスピードを徐々に上げていき、手の平がおへその下くらいの位置で最高速度となるのが理想です。
2つ目のポイントは、水をまっすぐかくことです。キャッチした水を体と並行にまっすぐかくことで、推進力が失われにくくなります。「親指の付け根が太ももに触れているか」を一つの基準にしてみてください。
④プッシュ&フィニッシュ
プッシュ&フィニッシュとは、プルの一連の流れで水を後方へ押し出す動作です。
ポイントは、手の平を後方に向け水を押し出したら、すぐに次のリカバリー動作に移ることです。プッシュ&フィニッシュ後は腕の円運動を止めず、プルの一連の流れのまま肘を水面に持ち上げます。これにより、重心が下半身に移りにくくなります。つまり体を一直線に保ちやすくなります。
⑤ リカバリー
リカバリーとは、腕を前方に戻す動作です。
ポイントは、腕をリラックスさせた状態で、できるだけ早く腕を前方にもっていくことです。リカバリー動作で推進力は得られないため、腕をまわすのに最低限必要な力以外は入れないようにしましょう。腕が水面に出ている状態は腕に浮力が働かず、体が沈みやすくなります。そのためリカバリー動作は短時間で行えることが理想です。
ただし、このようなポイントを初心者段階で意識すると、ストロークが小さく推進力が得られない泳ぎになります。私が子どもに教えるときは、肩甲骨を大きく動かした、大きなストロークができるよう「真上の天井をタッチするように腕を伸ばしてみて」と伝えています。これにより、エントリーでも腕を前に伸ばしやすくなり、かける水の量が増えます。
ここではこの後の練習の続きをすべて紹介しきれませんが、ここまでできれば残る課題は息つぎです。
この夏、ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてください。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら