うまく泳げない親でも子どもに水泳を教える方法 バタ足とストロークなら誰でも教えられる

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ステップ2:けのび+バタ足

けのびで2~3秒間進んでから、バタ足を行います。目標距離は5~8mです。最初にけのびの姿勢を2~3秒間維持することで、バタ足を始めても姿勢が崩れにくくなり、それにより「水から受ける抵抗が少なくなる」「体幹を使った力強いバタ足ができる」というメリットがあります。

逆に「けのびを2~3秒間してからバタ足を始めてね」と伝えていないと、壁を蹴った瞬間に「バタ足を頑張ろう」と力んでしまい、前に進みにくくなります。これでは、せっかく習得した「けのびのスキル」「プールサイドで練習したバタ足の動かし方」が崩れてしまうかもしれません。泳ぎは「けのびが基本」なのです。

ステップ3:板キック12.5m〜25m

ビート板を持ってバタ足をします。板キック25mを達成できたら、自分で泳げているという感覚を得ることができ、子どもにとって大きな自信になります。

泳ぎ始めは、壁をしっかり蹴り、推進力を得た状態でスタートするといいでしょう。

最初に推進力があったほうが、バタ足は安定しやすくなります。ただし、壁を蹴ってスタートした後は「2〜3秒間一直線の姿勢を保ってから」バタ足を始めるようにしましょう。壁を蹴った直後は、泳いでいる中で最もスピードが出ている状態です。ここですぐキックを打ち始めると、脚に抵抗がかかり、せっかくのスピードを失ってしまいます。

板キックで気をつけることは2つあります。

一番めに気をつけることは「体を一直線に保つこと」です。ビート板を持つと、腕に大きな浮力がかかるため、下半身が沈みやすくなります。浮具を持たない「けのび」と比べて、体を一直線に保つのが格段に難しくなります。

体を一直線に保てないと膝が曲がりやすく、自転車を漕いでいるような足の動きになり、推進力が生まれにくくなります。体を一直線に保つポイントは、「①腕(特に肘ひじ)を伸ばす」「②ビート板(水面)にあごを近づける」です。これにより重心の位置がみぞおち辺りになり、体を一直線にしやすくなります。

(画像:『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』P.174より)

二番めに気をつけることは「キックを一定のリズムに保つこと」です。
一定のリズムに保つポイントは、「①肩を動かさないようにする」「②蹴り上げを大切にする」です。

①バタ足に合わせて肩を動かさないことで、細かく一定のリズムでキックが行えるようになります。初心者ほどキックの動きと連動して、肩が上下に動きやすくなります。

②蹴り上げを大切にすることで、蹴り下げた後にキックが一時停止することがなくなります。結果、下半身が沈みにくく、一定のリズムで動かし続けられるようになります。キックの蹴り幅を、足のサイズくらいにすると一定のリズムで行いやすいです。

最初はすぐに下半身が沈んでしまうと思いますが、「体を一直線に保つこと」「一定のリズムを保つこと」に気をつけると、次第に泳げる距離は伸びていくはずです。

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