咳、肩こり、頭痛、耳鳴り…それ慢性上咽頭炎かも 鼻の奥に綿棒を突っ込んで擦るEAT治療が有効
いびきに悩む人は実に4000万人いるといわれています。いびきや鼻づまり、アレルギー性鼻炎などで「鼻呼吸」がスムーズにできないことで、睡眠負債が蓄積され、さまざま不調や病気になることも。
鼻には問題がないのに、鼻の奥の方がつまっている感じがして、呼吸に対して抵抗感を感じているという人がいます。しかし、いろいろな診療科を受診しても「何ともない」と言われ、処方される薬を試しても全然変わらない。そんな症状が長い間続くとき、それは「慢性上咽頭炎」かもしれません。
最近では新型コロナの後遺症にも慢性上咽頭炎が関係していて、だるさがどうしても取れないといった症状が、慢性上咽頭炎の治療によって改善する可能性がいわれるようになりました。
慢性上咽頭炎とはどんな病気か
慢性上咽頭炎とは、鼻の一番奥の上咽頭という場所に慢性的な炎症が起こるものです。実はこの慢性上咽頭炎、鼻の不調やだるさ以外にも、さまざまな身体のトラブルの元になることがあるのです。
まず、上咽頭炎による直接の症状としては、のどの違和感、後鼻漏(鼻水がのどに落ちる)、咳が止まらない、肩こり、頭痛、耳鳴り、知覚過敏、顎関節痛などがあります。それによってだるさやめまい、不眠などの睡眠障害、起立性調節障害、集中力の低下、過敏性腸症候群、機能性胃腸症、慢性疲労症候群、繊維筋痛症など、自律神経の乱れを介した症状として現れるとされています。
原因不明の不調が長く続いている、いろいろ診察を受けてもどこも悪いところはないといわれる、そんな方は慢性上咽頭炎の治療をしている耳鼻科で相談されてみてはいかがでしょうか。慢性上咽頭炎の治療を行っている施設については日本病巣疾患研究会のHPより確認ください。
非常に多岐にわたる症状を発症するきっかけとなる慢性上咽頭炎は、睡眠にも深刻な影響を与えます。治療としては、「上咽頭擦過療法」という処置の治療が効果的です。今は国際的にも通じるようにと、日本病巣疾患研究会がEpipharyngeal Abrasive Therapy という呼称を付けて、その頭文字をとって「EAT」と呼ばれています。
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