咳、肩こり、頭痛、耳鳴り…それ慢性上咽頭炎かも 鼻の奥に綿棒を突っ込んで擦るEAT治療が有効
EATは、もともと1960年〜70年ごろに脚光を浴びた治療法で、東京医科歯科大学の教授だった堀口申作医師によって広められました。しかしその後衰退してしまいました。
衰退してしまった理由として、「万病にきく」「ガンさえも治る」というような論調が生まれてきたことで、徐々に人々が懐疑的になり離れていったということと、もう1つには、鼻の奥を口から綿棒を突っ込みグリグリ擦ることから、とても痛い治療ということで、「あそこの病院に行ったらとても痛い治療をされて、血も出るし、ひどい目にあった」というような、正しい治療を行っているにもかかわらず風評被害に遭うケースがあったことが原因だと思われます。
しっかりグリグリとのどを擦る
EATでは、まず鼻の中に綿棒を入れて、鼻の奥(上咽頭)の天井を擦ります。次に、今度は同様に口から曲がった綿棒を入れて上咽頭を擦りつけます。このとき、血が出るまでしっかり擦らないと、治療の効果が得られません。しっかりグリグリと上咽頭全体を擦るからこそ効くのだと、研究会のHPにも書いてあります。
EATは、さまざまな症状に効果をもたらしてくれる可能性がある治療です。しかしすべての症状が必ずよくなるわけではありません。
治療効果のためしっかりと上咽頭を擦るEATは、ややつらい治療でもありますので、当院では患者さんにご理解いただいたうえで、「頑張ってやってみたい」という方にEATを行っています。
これまで他院でEATを行ってきたものの、効かなかったという方に聞いてみると、ゴシゴシ擦るというほどではなく、なでる程度でしかやっていなかったとのことでした。
そういった方々に、しっかりと擦って治療を行っていくと、「肩こりが良くなってきた」「首の痛みが取れた」「最近首が回るようになった」と、当初訴えていた症状以外のことについても変化を感じる方が多くいます。
手のひらや足の裏に水ぶくれのできる掌蹠膿疱症の方で、「長年、手や足がどうしてもよくならなかったのが、この治療でぴたっと治った」とか、リウマチの方で「こわばりがすごく楽になった」という人もいました。
きっと、症状はさまざまなのでしょうが、なかなかすべての症状に気が回りません。あまり気にかけていなかった症状が、ふと思うと変化していることに後から気づくのでしょう。「鼻の呼吸が楽になった」とか「寝つきがよくなった」、「夜中に目を覚まさなくなった」、「目覚めがよくなった」など、鼻や睡眠に関する自律神経症状が改善し効果が得られたのだろうと思われる人もいますし、その結果、睡眠導入薬や安定剤を減らすことができた、止めることができた、という声もありました。
睡眠障害の解決方法の1つとして、EATは重要な役割を果たせるのではないかと私は考えています。
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