【アニサキス症】食中毒激増!背景に2つの理由 サンマの季節も到来、気を付けておきたいこと

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⑥よく見て食べる

アニサキスは幼虫でも体長2~3cm、太さ0.5mmほどのサイズなので、表面にいれば肉眼でも確認が可能だ。青魚の刺身などを食べるときは周りに白い糸状のものがついていないか(とぐろを巻いていることもある!)、よく見てから食べるようにしよう。

酢やワサビなどの調味料や香辛料などではアニサキスは死なないので、酢締め(しめサバなど)だからといって安心はできない。実際、冒頭の食中毒統計の速報(2022年)を見ると、刺身だけでなく、サバの押し寿司やしめサバでも感染していた。

アニサキス症が増える秋は要注意

秋はサンマが美味しい季節だ。アニサキス症が増える時期として、これからのシーズン(9~10月以降)も注意したほうがいい。

最後に杉山さんはこうアドバイスする。

「アニサキスはほかの食中毒と違い、鮮度はあまり関係ありませんし、地産地消だから安心というわけではありません。ただ、最近はスーパーや鮮魚店、生魚を扱う飲食店はアニサキスにものすごく注意を払っています。気を付けながらも、旬の魚介類の刺身や寿司を楽しんでいただければと思います。注意して食べているので、私は感染したことはありません」

(執筆:編集部・山内リカ)

国立感染症研究所寄生動物部客員研究員・麻布大学生命環境科学部客員教授
杉山広研究員

獣医師・農学博士。1979年、大阪府立大学農学部獣医学科卒業、1981年、大阪府立大学大学院農学研究科獣医学専攻(博士前期課程)修了。大阪府立大学農学部助手、国立予防衛生研究所寄生虫部主任研究官、大阪大学蛋白質研究所共同研究員、国立感染症研究所寄生動物部主任研究官などを経て、2022年から現職。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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