【アニサキス症】食中毒激増!背景に2つの理由 サンマの季節も到来、気を付けておきたいこと

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もう1つは、アニサキス症にかかったタレントがSNSで自身の症状などを発信するようになった点だ。

これにより多くの人にアニサキス症という病気の存在が知られるようになり、医療機関を受診する人たちが増えたという。もちろん、ガマンせずに医療機関を受診するのは悪いことではない。

このほかにも、気候変動の影響などでアニサキスが宿主となる魚が日本近海で増えているという説もあるが、まだこれについては明確なデータがないため、はっきりしていないそうだ。

では、アニサキス症にかかると、どんな症状が出るのだろうか。今回は患者数が圧倒的に多い胃に寄生したケース(胃アニサキス症)について解説してもらった。

「まず、原因となる魚介類を生で食べた1時間~2日後に激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐が現れます。そのタイミングで病院を受診して胃カメラで胃の中を観察すると、粘膜に白い糸くずのような幼虫が突き刺さっているのが確認されます」(杉山さん)

スケトウダラの肝臓に寄生するアニサキスの幼虫(左上)と、取り出したアニサキスの幼虫。体長は2~3cmで肉眼でも十分に見える(左下)、サバの身に寄生するアニサキスの幼虫(右上)と、右上写真の矢印部分を切り出し、顕微鏡下にアニサキスの幼虫を確認(右下)(出典:国立感染症研究所 

この検査は治療も兼ねていて、そこでアニサキスの幼虫が見つかれば、胃カメラの先についているピンセットのような道具でつまんで取り出す。これにより多くは症状が改善する。

一方、医療機関を受診しない場合でも数日でアニサキスは抜け落ちて死滅するため、痛みは徐々に治まっていくそうだ。

アニサキスに対するアレルギーも

「さらに最近になって、胃痛などの症状はアニサキスに対するアレルギーで生じることもわかってきました。この場合アニサキスを除去してもしばらくアレルギー反応が残るので、痛みが続くことがあります」(杉山さん)

いずれにせよ、アニサキス症もほかの食中毒と同様、予防が大事だ。アニサキスの卵はクジラやアザラシなどの終宿主から排出され、その卵を食べた中間宿主であるオキアミで孵化して幼虫に発育し、そのオキアミを食べた待機宿主に幼虫が蓄積する。

「この待機宿主となっているのが、サバやアジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどです。アニサキスはこれらの内臓や筋肉に棲んでいます。漁獲後に内臓から筋肉へと侵入する幼虫もいます」

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