【産業天気図・通信業】携帯は後退。固定も新旧入り乱れ、競争激化で『雨』続く

通信業界は2005年度も減益になりそうだ。業界の全利益の6割超を稼ぐ携帯電話業界のガリバー、NTTドコモが減収減益となるのが、その最大の要因。解約防止を狙った各種割引やキャンペーンが影響して利用単価が減少するため、加入者の増加でカバーしきれない。FOMAの販売促進費用もあり、経費節減などを進めても営業利益は減益となりそうだ。
 ボーダフォンは深刻な客離れにあえいでおり、浮上の兆しは見えない。KDDIは、唯一、au携帯電話の好調に支えられて成長を続けているが、市場の飽和もあって加入者の増加ペースは鈍っている。増益ながら業界全体を支える力はない。
 固定通信は相変わらず厳しい競争環境だ。ソフトバンク、KDDIは新しい格安電話を本格的に開始、市場を独占してきたNTTも値下げで対抗。これら新旧事業者が入り乱れて、縮小するパイを奪い合う。頼みのブロードバンド事業も、光ファイバーの本格普及が進む前に早くもADSLの成長が鈍化。加入者拡大のテコ入れをするため、各社とも身を削った販売合戦を繰り広げそうだ。NTTの合理化余地が、数少ない増益要素だ。
【丸山尚文記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 家族の法廷から
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 今さら聞けない競馬のキホン
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
好業績の裏で検査不正<br>スズキ「鈴木修経営」の光と影

5月10日の決算会見に登壇し完成検査の不正を詫びたスズキの鈴木修会長。不正は組織的・構造的な問題か、現場への目配り不足によるのか。長年にわたるカリスマ経営の副作用を指摘せざるをえない同社のガバナンス体制を詳解する。