池田エライザさん「親しい人にも敬語」に至った訳 バラエティから最新出演映画『ハウ』までを語る
――現在は、小鳥と猫との生活を謳歌しているとか。
小鳥5羽と猫2匹がいて、お互いにパートナーであり恋人であり、私は母でもありますが、自分が最下層として下僕をしている時間が一番長いです(笑)。「はい、喜んで掃除させていただきます」とか、「喜んでお水を交換させていただきます」という生活なんです。
いずれにしても、好きという気持ちは関係性によって育まれていくもので、彼らからはリスペクトを感じますし、私も違う種族ではあるけれど同じ地球上に生きている者同士、尊敬し合っているという感触は得られています。
私は、動物を「飼う」という表現が好きではないんです。彼らを「お迎え」して「家族になる」と覚悟して一緒に生活しているので、「人生、一緒に楽しもうぜ! ウチ、楽しいけど来る?」と心の声で話しかけて家族の一員として迎えましたね。
――動物たちと共生するうえで、映画でハウ役のベックくんと共演した感想は。
ベックくんは(撮影当時)まだ1歳なのに、体重が35キロもあって、身体も大きければ愛情も深い子でした。「Wanちゅ~る」を手のひらであげましたが、一舐めですべて丸呑みするほど、舌が大きくて。私は猫の舌の大きさに慣れているので、かわいいモンスターみたいでしたが、そこにいるだけで幸せな気持ちにさせてくれましたね。
「思い出は、キレイに戸棚にしまえたらいいと思う」
――映画の中で、ほかにも印象深かったシーンをあげていただくならどこでしょうか。
ハウと暮らすことになった民夫さん(田中圭さん)が、私が演じる市役所職員の桃子に、居酒屋で語り掛けるシーンです。「思い出は、キレイに戸棚にしまえたらいいと思う」という言葉を言うのですが、それが胸に残りましたね。
ちょうどその時期、わが家の猫が難病を患って、大切な家族を失うかもしれない不安を抱えていたので、そのセリフは私自身にもとても響きました。
動物と過ごすときだけでなく、恋愛など人生のほかの場面でも、同じことは多くあてはまる気がします。忘れる、あるいは思い出を捨てられないときは、戸棚にキレイにしまう方法が有効ではないか、と。
大事な思い出は、戸棚の中の整理整頓されている、一番キレイな場所かつ取り出しやすいところに置いておくのだろうという考え方だと、私は捉えました。きっと多くの人を救う考え方、言葉ではないかと。ぜひいろんな人にも伝えていきたい言葉ですね。
***
動物にも、人に対しても、他者へのフラットで温かいまなざしを感じさせてくれた池田さん。今後の女優業も楽しみだが、ご自身も語っていた「複合施設」のような、われわれをワクワクさせるような仕掛けを施した仕事も楽しみに待ちたい。
出演:田中圭、池田エライザ 石田ゆり子(ナレーション) 石橋蓮司 宮本信子
監督:犬童一心 脚本:斉藤ひろし、犬童一心 音楽:上野耕路
原作:『ハウ』斉藤ひろし(朝日文庫)
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