介護離職で心が不安定に…50代女性が復職した訳 仕事を親の介護のために辞めてはいけない理由

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家族が仕事にいっている間に、1人でご自宅で過ごすことが難しい場合には、冒頭のAさんの母親が利用しているデイサービスのように、「仕事に行っている間に預けられる場所」が必要になってきます。

ここで問題になるのは、利用者が「行きたくない」と言い出す場合です。そうしたときは、なぜ行きたくないのかを、まず聞いてみること。なぜなら「デイサービス=やりたくないことをやらされる場所」「認知症の方がたくさんいる場所」など、ネガティブなイメージが先行していることがあるからです。

しかし、一口にデイサービスといっても、今は施設によってさまざまな特色があり、実際に足を運んでみると、イメージと違うこともあります。利用者に合った施設選びができると、単に預けるだけではなく、本人にとってより有意義な時間を過ごすことができます。

デイサービスを検討する際には、下見をしたうえで、本人の希望に合った施設を選ぶとよいでしょう。

「行く気にさせる」話術とは

本人の「行きたくない」気持ちに働きかけるには、話の持ちかけ方も大事です。「あそこに行けば、囲碁ができますよ」など、“施設だからできること”を挙げてお誘いするのも1つ。また意外と「みんなが行ってるよ」という一声が決め手になる人も多いです。

ちょっとしたことではあるのですが、利用する本人が「それなら行ってみようかな」と思える伝え方を心がけることで、介護サービスへの印象も変わってきます。

仕事をしながらの介護は大変なこともありますが、利用できる制度やサービスもたくさんあります。家族だけで悩まず、こうした公的な支援をとことん活用することで、本人も家族も、それぞれの人生を大切に過ごしていってほしいと思います。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

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なかむら あすみ / Asumi Nakamura

2000年、東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」・緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。近著に『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社+α新書)。

 

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