26歳婚活女子「乳がん発覚」で知った幸せの本質 「病気がなかったら、私は今も迷走していた」

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「入院は手術前後の約2週間だけでしたが、抗がん剤の副作用がやはり一番つらかったです。私の場合は脚や腕など全身の筋肉の腫れと痛み、動悸がひどくて。一時は30メートルも歩けなくなりました。腕を切り落としたくなるほど痛かったです」

一時的とはいえ、抗がん剤の副作用で外見は変化する。ゆえに病気について、別れも覚悟で当時の交際相手へ説明したが、そのときは「一緒に頑張ろう。将来を考えているから、治ってくれないと自分も困るよ」と言ってくれた。

しかし、その後、訪れた現実は切ないものだった。

「治療が一区切りついたところで、彼から『妹みたいな存在になってしまった』と言われて、別れを切り出されたんです。端的に言えば、女性として見るのが難しいということですよね。正直、『またか。また振り出しに戻るのか……』という感じでしたね。

その後、女の勘が働いて久々にマッチングアプリを開いたら、彼は普通にログインしていました。アプリ上には、商品カタログのようにかわいい女性たちが並んでいる。でも目の前にいる私は、治療で髪が抜け落ち、浮腫で人相が変わるほどにパンパンになっている……。

頭では仕方ないと思いつつ、さすがにちょっと頭にきました。病気がわかって絶望していたときに優しい言葉をかけられ、私もすがりたくなった時期もあるので、あまり悪くは言いたくもないですが、それぐらい彼は当時の私には頼みの綱だったんです」

「自分の人生を他人に託そうとしていた」

恋人との別れがありつつ、なんとか治療も終わった現在は職場に復帰。今後も半年に一回の定期検査を受けていくことになるという。

河崎さんは上記のような体験を通して、結婚観や人生観が大きく変化したと語る。

「マッチングアプリで迷走していた頃は結局、自分の人生を他人に託そうとしていたんですよね。相手の収入やステータスを見て、そういう男性と結婚すれば人生安泰だと、心のどこかで思っていたんです。相手に認められたくて、少なからず無理していた部分もありましたが、自分の人生で一番大事なのは自分自身だし、自分の人生を変えられるのも自分しかいないと、今は考えるようになりました。

病気がなかったら、私は今も同じことを続けて迷走していたと思います。今では20代を振り返ることができるようになり、私も少しずついろんなことを受け流すことができるようになりました。今では、普通に働けて、元気に外へ出かけられることが何よりの幸せなんです」

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ーー自分の人生を他人に託そうとしていたーー

この言葉が胸に染みるアラサーは決して少なくないだろう。そして何気ない日常が一番の幸せだというのも、つらい日々を経た彼女だからこそ、重みが感じられる。

なお現在、河崎さんには交際相手もいるそうで、恋愛面もなかなか順調なようだ。本記事に婚活サービスの優劣を述べる意図は皆無だが、友人に誘われて参加した婚活パーティーで知り合ったという。

「病み上がりで、しばらく男性との出会いはいいと思っていたんですが、そういうときに限って良い縁もあるというか……。できればいつか結婚したいとは思っていますが、まだ交際2カ月ですし、ダメならそのときはそのときで。とりあえず今が楽しくて幸せならいいのかなと思います。人生いつ何があるかわからないし、何があってもお互いに思いやれるような関係じゃないと、一生のパートナーにはなれないとも思うので」

本連載に登場してくださる、「クォーター・ライフ・クライシス」(QLC)を経験した、アラサーや元アラサーの方を募集しています。アラサーの筆者・編集者がインタビューさせていただきます。お申込みはこちらのフォームからお願いします。
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