26歳婚活女子「乳がん発覚」で知った幸せの本質 「病気がなかったら、私は今も迷走していた」

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なにかと海外に行きがちな本連載の主人公たちと比べれば、“社会人”として堅実なキャリアを歩んでいるように見えるが、それだけにQLCという迷走期間への入り方やありようは少し異なるようだ。

「大学では古典文学を学んでいたのですが、どう考えても就職の受け口の少ないジャンルなので、就活では仕事は仕事として割り切って働ける業界、純粋に稼げる会社を目指しました。数字にシビアな会社でしたが、仕事自体は嫌いではなかったですし、給料も業界的に高給ではあるので、基本的に待遇は良かったですね。

ただ、良くも悪くも昭和の文化が根強いのも事実で。入社4年目に上司になった50代の男性が、とにかく部下のお尻を叩いて馬車馬のごとく働かせる人だったんです。職場はいい人が多く、人間関係も良好でしたが、『バブルの頃の感覚をいまだに引きずっているような人たちも普通に管理職になっている。そんな会社で働き続けるのは、自分には厳しいな』と思うようになったんです」

その後、現在も勤める生命保険会社に転職。内勤なこともあり、営業マンとして死線を越えてきた河崎さん的にはラクに感じたという。

悩みの多いマッチングアプリでの婚活

職場環境が変わったことで、社会人になって初めて私生活を顧みる余裕が生まれた。その結果、一気に視界に入ってきたのが「結婚」という2文字だった。当時、周囲は第一次結婚ラッシュの真っ最中で、冒頭の決意につながるわけである。

「もともと結婚については『ゆくゆくは……』という感覚でした。大学で恋愛経験もありましたし、20代前半の頃は『自然に結婚できる』『社会人になっても出会いがある』と、漠然と思っていたんですね。でも26歳のとき、ふと学生の頃に想像していた状況と違うことに気づいた。そうして、バリバリ稼ぎたい気持ちが薄れ、プライベートを充実させる方向に軸足を移していったんです」

営業マンだった河崎さんは「とにかく場数を踏もう!」と考え、マッチングアプリに挑戦。3人の男性との交際と別れを、約1年半という短期間で経験することになった。

「同時並行で複数の人とやり取りするようなことはせず、1人ずつやり取りして会ってみるというかたちでしたが、交際期間を除いてならすと、月1人くらいのペースではお会いしていましたね。最初の方は1カ月も経たずに別れましたが、2人目の方とは旅行とかもして、ヘタに思い出ができちゃっています。見た目もハンサムで普通にモテそうな人でしたし、当時は私のほうが惚れていました」

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