「子どもに習い事を強制する親」に知ってほしい事 「脳にいい体験」になるかは親の考え方次第だ

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私の息子たちや、外来を訪れる子どもたちを見ていると、特殊な能力を習得するのは、習い事のメリットのごく一部でしかないと感じます。それよりもっと大事なのは、習い事に通って、そこでしかできない経験を積んだり、先生やお友だちとの新しい人間関係を築いたりして、「いかに脳を刺激したか」という点です。

あるいは、ふだんはゲームばかりやっている子どもが、習い事の時間だけはゲームから離れられるのであれば、それも重要なメリットのひとつです。

習い事に通い続けるのは、子どもにとって、よほどポジティブな動機がないと難しいものです。

ポジティブな動機づけとして効果的なのは、やはりなんといっても、親御さんが子どものよかったところを指摘してあげること。

「前回よりも上達していたね」

と習熟度を評価するのはもちろん、

「楽しそうだったね」

「一生懸命な表情で取り組んでいたね」

「遅れないで教室にいけたね」

「たくさんの持ち物を自分で準備できたね」

「先生に大きな声であいさつしていたね」

など、いろんな声かけができるのではないでしょうか。

たとえやめるとしても「達成感」を残してあげて

子どもが習い事を始めたがったりやめたがったりするのは、子ども自身が自分の興味や得意不得意を見極めている途上だからです。習ったことをじゅうぶんに習得する前にやめてしまったとしても、やめたことを責めたりガッカリして見せたりしないこと。

それよりも、短い期間でも新しいことに挑戦できたという事実について、ポジティブな達成感を持たせてあげてください。

最終的にポジティブな気持ちで終えられたなら、お子さんの脳にとって、その習い事はいい影響をもたらせたと言えるでしょう。

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