「子どもに習い事を強制する親」に知ってほしい事 「脳にいい体験」になるかは親の考え方次第だ

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ところで、習い事とともに「塾」「受験」についても、親御さんの悩みや不安は尽きないようです。お子さんの小学校や中学校の受験の是非については、親御さんから聞かれることも、取材を受けることもしょっちゅうです。

私は「受験は脳にいい」と考えます。なぜなら、子どもはみんな、知っていることが増えるのが大好きだからです。「脳は楽しいときにしか成長しない」のでしたよね。受験勉強を通じて、楽しく知識を増やせれば、脳は格段に成長します。

また受験勉強には、スケジュール管理、大量の教科書やプリントなどの持ち物管理、体調管理など、勉強以外にも自分を律するさまざまなアクションがつきものです。そうした日々の習慣の積み重ねの中で、子ども本人が自分の得意不得意に気づいたり、不得意なことをなんとか得意に変えようとしたりできるという点でも、受験は脳にいい影響を及ぼすと言えます。

また親御さんのほうにもメリットがあります。ひとつは、子どもの得意なことに気づいたり、それを本人に伝えてあげたりする機会が多く得られる点。逆に、子どもの不得意を見つけたときには、その不得意をうまくサポートしてあげる方法を模索できます。

そうして親子二人三脚で大きな目標を達成しようとするプロセスは、間違いなく、親子双方の脳に大きな刺激と成長をもたらします。

つらく苦しい受験はすすめない

『脳と子どもの専門医が知っている 子どもの脳がみるみる育つ新習慣』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ただし脳は、苦しい環境、楽しくない環境ではけっして成長できません。

つらいことを無理して行う/行わせるということでなく、あくまでも「脳が喜ぶこと、脳が成長することをやっている」という前向きなスタンスを大事にしてください。

また、最終的に重要なのは、合否の結果ではありません。合否でなく、「受験勉強によって子どもの脳がいかに発達したか」を評価するようにしましょう。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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