●つながり 知り合ったばかりでも信頼感が生まれ、打ち解けることができる。長く続いている間柄なら、なおさら満足感を覚える。
●創造力(クリエイティビティ) それまで見落としていた関連性に気づきやすくなる。リスクのあるアイデアや型破りなアイデアを思い切って提案できる。
●レジリエンス ストレスが緩和され、挫折から立ち直りやすくなる。
マーク・トウェインはこう語ったと言われている。「人類がもっている唯一の効果的な武器、それは笑いだ」。
この秘密兵器が私たちの脳内化学物質や、心理状態や、行動にどのような変化を起こすかをしっかりと理解することで、私たちはユーモアを戦略的に活用できるようになる。
ユーモアのある人は有能に見られる
ユーモアに関する重要なコンセプトのひとつは、地位と関係がある。
世界的に有名なコメディー劇場兼研修所〈セカンド・シティ〉で、コメディーの研修に参加した仲間であるブラッド・ビターリー、モーリス・シュバイツァー、アリソン・ウッド・ブルックスが行ったある研究では、実験の参加者たちに対し、「ヴィジット・スイス」という架空の旅行会社の「お客様の声」として、スイス旅行の短い感想コメントを書いて、発表するよう求めた。
参加者たちには伏せられていたのだが、じつは、コメントを読み上げた最初のふたりは参加者ではなく、研究助手だった。
彼らが事前に用意しておいたコメントの半分は真面目で、半分はユーモアがあった(たとえば、真面目なコメントは「山でのスキーやハイキングは最高です。本当にすばらしい!」。いっぽう、ユーモアのあるコメントは「山でのスキーやハイキングは最高だし、あのスイス国旗も気分が上がる!」)……。
その後、実験の参加者たちに対し、感想を発表した人たちをいくつかの項目において評価するよう求めたところ、ユーモアのある感想を述べた人たちのほうが、「有能である」印象を与えた割合が5%高く、「自信がある」印象を与えた割合が11%高く、「地位が高い」印象を与えた割合が37%高いことがわかった。