パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景 業界独自の「パチンコペイ」構想も浮上している

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パチンコ業界は、ほかのレジャー・エンタメ業界とは対照的にキャッシュレス決済が進まない現状に危機感を抱いている。

業界団体の1つである日本遊技関連事業協会(日遊協)は2021年4月、産学官のプレーヤーが幅広く連携するキャッシュレス推進協議会に参画。情報を収集すると同時に、日遊協でもプロジェクトチームを立ち上げ、パチンコホールにキャッシュレス決済を実際に導入する上での課題を洗い出してきた。

「業界をキャッシュレス化に向けることで、改刷(新紙幣への移行)後の現金紙幣の判別機や搬送システム、計数機などの設備投資・メンテナンス費用を低減できる。また、現金紙幣の運搬・セキュリティー費用などの低減は、業界全体のコストメリットだけでなく、環境面を軸にESGの観点からも必要だ」(日遊協)。

キャッシュレスに立ちはだかる「最大の壁」

これに対し、警察庁は「業界団体において議論されている『パチンコホールでのキャッシュレス導入』の具体的内容を承知しておりませんので、コメントは控えさせていただきます」(広報室)というスタンスを崩さない。

ただ、「1日いくらといった利用限度額」や「後払いでなく現金チャージのみ」などの仕組みさえ整えば、パチンコホールへのキャッシュレス決済の導入が現実味を帯びてくるという声もあがる。「警察は何が何でもダメだと言ってるわけではない。気にしているのは、世の中がパチンコホールへのキャッシュレス導入を許容するか否か」(業界関係者)。

市場が右肩下がりで縮小し続ける業界において、キャッシュレス決済は市場再拡大の起爆剤となりうると期待されている。しかし、その実現にはいくつもの高いハードルが立ちはだかる。

最大の壁は、グレーな換金方式などのイメージがあるパチンコホールでキャッシュレス決済が使えるようになることに、主要なキャッシュレス事業者が後ろ向きという点だ。

現金チャージが可能で、利用者の多いキャッシュレス決済といえば、JR東日本の「Suica」のような交通系に加え、ヤフーグループの「PayPay」などIT系のブランドが挙げられる。

Suicaは「パチンコ事業者からの導入希望に対して、当社として応じる方針はございません」(JR東日本)と否定的だ。

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