三陸鉄道、新駅舎が「行政拠点と一体」の利便性 新田老、岩泉小本の立派な建物・宮古北部岩泉編

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田老から筆者を乗せたバスは16時47分に岩泉小本駅前着。610円かかった。ちなみに三陸鉄道だと、新田老―岩泉小本間は400円だ。この駅は内陸部にあって、津波の大きな被害を受けずに済んだが、震災後の2015年に新しい駅舎に建て替えられた。同時に小本駅から岩泉小本駅へと改称されている。

防災センターに建て替えられた岩泉小本駅(筆者撮影)

今は3階建ての小本津波防災センターとなっており、岩泉町小本支所、集会所、三陸鉄道・バスの待合室などが入居する。

バス乗り場は1階の屋根下にあり、天候に影響されずに鉄道から乗り換えられるのもいい。三陸鉄道ホームへの通路は2階だ。

列車内でバスの案内

路線バスは田老・宮古方面のほか、岩泉消防署前(旧JR岩泉駅前)―岩泉小本駅前―大牛内間の岩泉町民バスが乗り入れている。このバスは岩手県北バスと岩泉自動車運輸が受託しており、町内の観光名所の龍泉洞にちなんで、「ふれあい龍泉号」との愛称がある。三陸鉄道に乗っていると、岩泉小本到着直前の放送で岩泉方面のバスの案内が流れ、こちらでも地域密着が見られるのがいい。

岩泉小本駅前で発車を待つ岩泉町民バス大牛内行き(筆者撮影)

一方、岩泉小本駅からさらに北へ、田野畑村方面へ海岸に沿って向かうバスはない。三陸鉄道は通じているが、やはり長いトンネルを延々と走って抜けると、やっと駅があり、すぐまたトンネルとの路線だ。田野畑村にも村営バスがあるけれど、これが難物で、やむなく次回まわしにする。

実はふれあい龍泉号に乗り、終点の大牛内で降りると、そこは町村境のすぐ近く。田野畑村営バス「タノくんバス」の旧真木沢公民館バス停までは歩いて10分ほどとみられ、平日朝の7時15分発の1本のみバスがある。岩泉小本駅前6時07分発のふれあい龍泉号に乗れば、大牛内6時23分着。十分間に合いそうだ。ただし、海岸からは離れている。この記事の主旨はバス乗り継ぎではなく、海岸沿いの被災地の公共交通機関の実情を伝えること。このルートは取りやめ、素直に三陸鉄道で島越へ向かうよう決めた。

土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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