たこ焼き「銀だこ」、鉄板に潜む"強さ"の秘密 店舗網を急拡大!営業利益は2.8倍に

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同社は技術者を雇い、店舗スタッフの意見を踏まえながら、鉄板を含む調理用機器の開発・製造を自前で行っている。全店舗に同一の機械を導入することで、社員がどの店舗に行ってもアルバイトに対し一定水準の教育が施せ、店舗ごとのオペレーションのバラツキを抑制することができるという。

「外注であれば機械の改良も時間や手間がかかるが、自前でやれば対応も早くなる。独自の機械を作ることで独自性の高い商品を提供し、参入障壁を築くことができる」(佐瀬守男社長)

専用機械の内製化は、直接的な収益の向上にもつながる。2014年度はフランチャイズ(FC)加盟店向けに286台、金額ベースで3.5億円を販売した。「これからは海外のFC店が拡大していくことで、この機械が世界に向けて輸出されていく。メンテナンス収入の増加も期待できる」(佐瀬社長)。

5年後に銀だこで国内700店

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スタンダードなたこ焼きは8個入りで通常550円(税込み)

2015年度は国内の銀だこだけで58店の純増を計画しているが、業態は主力のフードコート型だけではない。

冒頭のハイボール酒場のようなアルコール業態をはじめ、「銀だこカフェ」というカフェ業態、住宅密集地などでは宅配に特化した「宅配銀だこ」など、立地に応じた展開で店舗網を拡大していく構えだ。

同年度は売上高304億円(前期比11.1%増)、営業利益で19億円(同6.6%増)を目標に、アジアを中心とした海外展開も加速させる。東京五輪が開催される2020年度には、銀だこだけで国内700店体制を築く計画だ(2015年度末で474店の見込み)。

とはいえ、外食市場が成熟している日本国内で加速度的に出店していくリスクは決して小さくない。自社開発の機械でオペレーションの質を一定に保てたとしても、消費者の飽きが早くなっているため、商品が陳腐化しやすいからだ。継続的な商品改廃や新ブランドの展開が、今後のホットランドの成長を占ううえで重要なポイントになりそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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