平成を彩った「iPod」販売終了が惜しまれ続ける訳 革新的だった「シルエットのCM」も話題になる

拡大
縮小

シルエットのCMは音楽のセレクトも話題となった。ブラック・アイド・ピーズの「Hey Mama」から始まり、Jetの「Are You Gonna Be My Girl」の曲に至っては世界的な大ヒットにまでなった。それ以外にもU2やダフト・パンク、エミネムと超有名アーティストたちがiPodを彩った(エミネムのCMに関してはAppleと著作権で揉めた経緯もあったが現在は和解している)。

このシルエットのCMで、それまでなんとなく気になる存在だったiPodを「なんとなく気になる存在」から「えっ!超かっこいい!」といったところまで、消費者の興味と購買欲のボルテージを一気に引き上げたのではないだろうか。

またボディカラーも振り返ってみると、初期のiPodは白のボディカラーがメインだったが、その後のiPod miniシリーズ(2004年~2005年)やiPod nanoシリーズ(2005年~2017年)ではカラフルなボディも登場した。

カラフルなシルエットのCMが話題となったこともあるが、iPod=鮮やかな色、という印象が世間でも広がっていった。

iPodもガラケーも色鮮やかに

筆者はiPod miniシリーズ(2004~2005年)の登場時、まるで服を選ぶように色の選択肢が増えたことに驚いたのをよく覚えている。また、この当時の若者の間では、各iPodシリーズへのデコレーションも流行った。

iPodのデコレーションも流行った(『キラキラ!デコデン&デコグッズVol.2 世界でたったひとつだけのMY DECORATION ネイルUP!×ビーズfriend特別編集』(2007年出版、ブティック社)より)

一方でiPodのカラーバリエーションの豊富さは、新しい時代を象徴すると共に、これから先の未来に訪れるジェンダーレスや多様性の考えをどこか見越していたように感じてしまう。

またiPodからではないにせよ、2000年代の特徴としてガラケーでもカラフルなボディの機種が一気に増えた。

キティちゃんでデコったガラケー(写真:筆者撮影)

auやdocomoからも、2002年から徐々にオレンジやグリーン、フューシャピンクといったカラフルなボディの機種が登場した。またバリエーションが増えたことで、ガラケーにもデコレーションをする若者が増えた。これも、この時代の特徴だと言えるだろう。

次ページiPodを感じさせるCMも登場
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT