東大教授が教える「頭のいい人」が実践する会話術 コミュニケーションで誤解が生まれる原因を分析

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コミュニケーションは5パターンに分類できます(写真:Eri/PIXTA)
「頭のいい人」はどのようなコミュニケーションの方法を身につけているのか――。『東大教授の考え続ける力がつく思考習慣』を上梓した東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏が、人間関係で悩まないための「思考習慣」について紹介します。

コミュニケーションのパターンは「5通り」

「自分はどうして人に理解してもらえないのか?」

「言いたいことがなぜ上手く伝わらないのだろう?」

こうした人間関係の悩みの多くは、「誤解」が原因です。誤解は、コミュニケーションの流れにおける渋滞のようなもの。一度、誤解によって人間関係がこじれると、そう簡単には修復できません。誤解を解こうとしても思うようにいかず、むしろ誤解が誤解を招いて、関係性がさらに悪化することも……。

では、誤解されやすい人や誤解しやすい人は、何が問題なのでしょうか? 反対に、誤解されても気にせず放置できる人は、何が違うのでしょう?

こうしたことを長年、私自身も悩んできて、誤解の原因を分析し、予防方法について考えたことがあります。人間関係で悩んだときは、「大局力」や「場合分け力」で冷静に状況を把握して、適切な判断をしなければいけません。

そういうときのために、私が科学的に分析した“誤解のカラクリ”と対処法をお話ししましょう。

まずコミュニケーションは、相手に伝えたいメッセージがある「真意」を持った話し手と、そのメッセージを「解釈」する聞き手の二者間でのやりとりが基本になります。やりとりのプロセスを理解するために、次の記号を用います。

話し手の「真意」……I(Intention =意図)

話し手が発した「メッセージ」……M(Message =伝達情報)

聞き手の「解釈」……V(View =見解)

この3つの記号で場合分けすると、話し手の発したメッセージは、真意と同じ場合の「I = M」と、真意とは異なる場合、あるいはねじ曲がって伝わってしまう場合の「I ≠ M」の2パターンがあります。

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