日本の「野球用グローブ」が圧倒的な人気を呼ぶ訳 「名手モデル」「湯もみ型付け」など機能も多彩

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小売店には、さまざまなメーカーのグローブが販売されている(写真:ゼット/撮影協力:ミチイスポーツ)
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連日、NPB(日本プロ野球)やMLB(米大リーグ)での熱い戦いが続く。昨シーズン、MLBでアメリカンリーグMVPに輝いた大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)など、人気選手の活躍にも注目が集まる。野球関連ニュースが日に何度も報道される時期だ。

暑いなか、各地で草野球も行われている。実は、さまざまな企業で男性社員を取材すると、元高校球児という人が意外に多く、今でも草野球チームでプレーする人を目にする。

そこで今回、プロ野球から草野球まで選手が使う「野球用グローブ」に焦点を当ててみた。野球・ソフトボール用品市場の中で最も需要が活発で、人気も高いからだ。

メーカーの責任者に取材し、一般愛好家を中心に購入心理も調べてみた。野球にさほど興味がない人も、マーケティングや商品開発の視点でご参照いただければ幸いだ。

大手から中小、個人まで製造者は数多い

まずは、MLBの多くの有名選手に野球用防具を提供しており、自社製グローブも開発するベルガードファクトリージャパンの永井和人社長(業界歴約40年)に聞いてみた。

「グローブの種類は日本市場が最も多彩で、オーダーメイドでつくるプロ選手はもちろん、一般の愛好家も自分にしっくりくる商品を探します。最近は高価格品も人気です。長引くコロナ禍で、ずっと消費を我慢してきた思いもあるのでしょう。プロの有名選手と同じモデルを使いたい人も多いですね」(永井氏)

商品の素材には合成皮革もあり、量販店では数千円からあるが、ほとんどは牛革製だ。昔に比べて原材料費が高騰し、価格も上昇。メーカー最大手の「ミズノ」でオーダーメイドのグローブを注文すると約6万~10万円かかる。それでも好きな人は出費を惜しまない。

「選ぶ基準はさまざまですが、まずは好きなメーカーの商品で探す人が多いです。大手から中小まで数多くのメーカーがあり、自社製造する小売店を加えると製造者は数え切れません。近年は個人が作る例、ユーチューバーが作る例も増えています」(同)

前述の「ミズノ」のほか、「ゼット(ZETT)」「アシックス」「SSK」といった日本のメーカー、「ローリングス」や「ウイルソン」などのアメリカ企業もあれば、「久保田スラッガー」「ハタケヤマ」「スポーツ玉澤」といった品質の良さで愛好家に知られたメーカーもある。「ベルガード」のグローブは知名度が高くないが、高品質で定評がある。

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