脳の活動低下を招く「自己否定」する人の特徴3つ 傾向を知ってマイナス思考のスパイラルを回避

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自己否定の沼から抜け出せない人たちの共通点とは…(写真:マハロ/PIXTA)
自分の価値を認め、存在を肯定する感覚を「自己肯定感」と呼びます。人生を前向きに幸福に生きるには、自己肯定感がカギを握るのは確かでしょう。
しかし、この自己肯定感が低いばかりに、本来ならもっと前向きに生きることができるはずなのに、つまらないところでつまづき、落ち込んでしまう人が少なくないと言われています。
「それは大変もったいないことです」と言うのは、脳内科医の加藤俊徳氏です。加藤氏自身、若い頃は自己肯定どころか、自分を否定する気持ちが強い人間だったとか。それが変わったのは、「脳のおかげ」と同氏は言います。
「自己肯定感が低い人は、自分はダメだ、能力が低い、といういわば“脳の回路”ができあがっています。それに気づき、意識的に考え方や行動を変えたことで、脳の回路が変わり、自分を肯定できるようになったのです」
自己肯定感が高まる考え方や習慣とは?加藤氏の新刊『脳の名医が教えるすごい自己肯定感』をもとに3回にわたり解説します(2回目。1回目はこちら)。

自己否定することで、「自分は何をやってもダメだ」と考えるようになり、新しいことに挑戦する意欲が減ってしまいます。そうなると脳全体の活動量が低下し、それによって外部に対する関心や注意力が低下します。すると、ますます脳の活動が弱くなるのです。

自己否定することで自分を守る

脳がフリーズ状態=判断停止状態になると、「自己否定によって自分を防御する」という、困ったパターンにおちいることがあります。自分を否定して「どうせ何をしてもムダだ」と思い込む。すると、前向きになる努力や労力から逃れることができます。

自己否定をいわば言い訳にして、面倒なことから逃げるようになってしまうのです。

脳のカウンセリングで私が、「あなたはもっと能力があるはずです」とか、「日常の行動をこう変えてみたらどうですか?」とはげましたり、提案したりしたとします。ところが、どんなに言っても「いや、自分には無理です」「こんな自分が変われるはずがありません」とかたくなに決めつけ、変化をこばむ人がいます。自己否定している自分に固執してしまうのです。

変化することよりも、自己否定の中に沈んでいたほうが楽だと考えるようになってしまう。こうなると、自己肯定感を取り戻すことがますます困難になってしまうのです。

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