遂に発表「新型クラウン」超サプライズの第1弾 スポーツSUV登場にエステートの復活も発表!

✎ 1〜 ✎ 97 ✎ 98 ✎ 99 ✎ 最新
拡大
縮小

そこで「クラウンとは何か」を徹底的に見つめ直し、導き出した答えがSUVだったというわけだ。さらに豊田氏が「セダンも考えてみないか」と提案し、今回の第1弾モデルであるクロスオーバーが誕生した。

クラウンを開発してきた歴代主査の“確信と挑戦”を振り返り、そこで得たのが「クラウンという固定観念」からの脱却だ。中嶋氏は、「内向きに決まりごとを作って身動きできなくなっていた」と話す。

Mid-size Vehicle Company Presidentの中嶋裕樹氏(写真:三木宏章)

たしかに、最初から「クラウンはFRのセダンであるべきだ」として生まれたわけではないし、歴代の中にはあえてドラスティックな変化を遂げたモデルもある。時代に合わせて変化をすることに、何も問題はない。むしろ、変わらなければユーザーは離れていくばかりだ。

今回の新型クラウンが16代目にあたることになぞらえ、豊田氏は「これは明治維新だ」と言った。「徳川幕府は15代で終わった。しかし、クラウンは15代で終わらせない」と。

さらに、これまでほぼ国内専用だったクラウンをグローバルでの“トヨタブランドのフラッグシップ”と位置づけ、世界40の国と地域で、年間20万台規模で販売するという。

唯一の心配事は納期か…?

グローバルで考えれば、4つにボディタイプを用意することもFRプラットフォームを捨てたことにも納得がいく。歴史あるブランドネームを使って、トヨタの高級車を再構築していこうというわけだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

「『日本のクラウンここにあり』それを世界に示したいと思っています」。この言葉が、これからのクラウン、そしてトヨタのメッセージなのだろう。クロスオーバーに続く、スポーツ、セダン、エステートの登場も楽しみだ。

気になるのは、「いつ発売になるのか」ということ。そして、「納期がどうなるか」ということだ。半導体不足や部品の納入遅延により、新車の納期は長期化する一方だ。商品力や販売力ではどうにもならないことだが、「日本から世界へ」の発信が不発に終わらないことを祈りたい。

この記事の画像を見る(112枚)
木谷 宗義 自動車編集者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きたに むねよし / Muneyoshi Kitani

1981年、神奈川県生まれ。大学卒業後、専門学校で編集を学び、2006年よりフリーランスの編集者/ライターとしてキャリアをスタート。取材・執筆、編集、ディレクション業務のほか、当初よりメディア運営に携わる。現在は自動車編集者として、初心者向けからマニア向けまで幅広く自動車コンテンツの制作やプロデュースを行う。type-e.inc代表取締役。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT