アップル「伝説のデザイナー」と契約終了のワケ アップルは高額報酬と人材流出を嫌った

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「彼は単なるデザイナーではない」と、ジョブズは自身の伝記を執筆したウォルター・アイザックソンに語っている。「私を別にすれば、彼がアップルを動かす力はほかの誰よりも大きい」。

アイブはiPodの白いイヤホンも開発。シルエットが踊る広告キャンペーンもここから生まれた。iPhoneのタッチスクリーン技術の開発を支えたのもアイブだった。

2011年にジョブズががんで死去してからは、Apple Watch開発の先頭に立った。この製品の売り上げは当初の期待には及ばなかったものの、ウェアラブルビジネスを生み出し、その売上高は昨年380億ドルに達した。

退社を切り出したのは2015年

2人のやりとりを知る4人の人物によると、アイブが退社をクックに切り出したのは2015年。Apple Watch開発に要求されるコンセンサスづくりにアイブはげんなりしていたという。クックはアイブがパートタイムで勤務することを認めた。

アイブがラブフロムを立ち上げるためにアップルを去るという発表があったのは、その4年後だ。当時の声明でクックは「私たちの関係が今後も発展していくことをうれしく思い、将来にわたって長くジョニーと仕事をしていくことを楽しみにしている」と述べていた。

(執筆:Tripp Mickle記者)
(C)2022 The New York Times

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