日本人は「口呼吸」がなぜマズいかをわかってない ストレスを招き、不安を増長させてしまう理由

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健康のためにしていたマスクが、今やストレス源になっている(写真:kumikomini/Getty Images Plus)
コロナ禍でマスク生活も長引いています。それによって呼吸が浅くなり、メンタルヘルスの不調が増加していると、医師・根来秀行氏は指摘します。
深刻なメンタルヘルス不調に陥る前に、呼吸法や行動を変えることで日常生活のコンディションを整える術とは? 『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来が教える ストレス リセット呼吸術』から、一部抜粋・再構築してお届けします。

不調の多くはミトコンドリアの「酸欠」が原因

「なんだか疲れた」「だるい」「肩がこる」といった体の不調や、「やる気が出ない」「集中力が続かない」「落ち込みやすい」という心の不調も、もとをただせばミトコンドリアの酸欠が原因かもしれません。ミトコンドリアとは細胞内の小器官のひとつで、栄養素と酵素を利用してATP(エネルギー通貨)をつくり出す産生工場です。このプロセスを「細胞呼吸」といいます。

私たちが体内に酸素を取り込むには、「肺呼吸(通常の息を吸って吐くという呼吸)」を行うしかありません。そのため肺呼吸で酸素を吸えば吸うほど、その分、細胞に酸素が行き届く気がしますが、実際は違います。やみくもに酸素をたくさん吸おうとして呼吸を増やしても、細胞呼吸の効率は上がらず、むしろ呼吸が多すぎて酸欠を起こすことがあります。呼吸数が増えれば、取り込む酸素も多くなるはずなのに不思議ですよね。

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