インテリアは、最近のホンダ車の流儀に則ったもの。インストルメントパネルを水平基調として、左右の吹き出し口を一直線にメッシュパネルでつなぎ、その下にエアコン操作ダイヤルを配置。独立したセンターコンソールを持たせている。
SUVらしさを演出手法として、存在感のあるセンターコンソールを採用しているのが、シビックなどとの違い。ホンダは、「ハイデッキセンターコンソールによって運転席と助手席を分けることでパーソナルな空間を創出しました」としている。
「細部にわたる部品の仕立ても、機能的で緻密な仕上げによって造形の美しさを際立たせ、1クラス上の上質な室内空間を目指しました」というし、新型「ステップワゴン」でもインテリアの質感アップは目覚ましいから、期待できそうだ。外装に呼応するようなボルドーのカラーも、都会的なSUVにマッチしている。
パッケージングについては、「低く安定したドライビングポジションと、見晴らしのよいアイポイントを両立させることで、運転のしやすさの確保と、ドライバーとクルマとの一体感を高めることを目指しました」という。
このあたりはヴェゼルとも共通する、ホンダらしい考え方だろう。そのうえで「ワイドで水平基調な前方視界に加え、後方についても他の車両や歩行者などを認識しやすい視界とすることで、運転時における良好な視界を追求しています」している。
SUVでは後席のヒップポイント(座面の高さ)を高めに設定することが多いが、ZR-Vではあえて低めに設定された。なだらかなルーフラインを実現するためには、後席頭上が狭くなりがちであるため、ヒップポイントを低くしてルーフエンドのデザインの自由度を高めたと説明されている。
バーチカルグリルは受け入れられるか?
内外装とパワートレインのバリエーションは公開されたが、グレード構成や価格は明らかにされていない。ヴェゼルの上級モデルとCR-Vの下位モデルがいずれも330万円前後であることを考えると、300万円台前半が中心になるだろうか。
「スポーツe:HEV」による走りのよさはシビックで実証済み。小さすぎず大きすぎない車体に手の届きやすい価格の都会派SUVとなれば、ヒットしない理由はない。しかし、スタイリングの最大の特徴でもあるバーチカルグリルに懸念が残る。
小さめでメッキも控えめなグリルは、日本で“ウケる”タイプではないからだ。とはいえ、クルマのデザインは実車を見てみなければ判断できないもの。実車を目にする日が楽しみだ。
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