山﨑賢人「キングダム」主演でたどり着いた新境地 伝えたい「命をたぎらせ、生きろ。」の言葉

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『キングダム2』のプロジェクトが再始動を目論んでいた矢先に、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていた。撮影は、厳戒態勢の中で行われ、かつてない環境に置かれながらも、制作スタッフやキャストのただならぬ熱量で2021年10月に全ての撮影を終えて、クランクアップした。山﨑賢人は、前作のクランクアップのときは、涙を流したといっていたが、今回はどんな感情と向き合っていたのか。

「泣いてないです。……まあ、泣きましたね(笑)。絶対泣かない、泣くもんかと思ってましたけど。普段は全然泣くタイプじゃないのに、なぜか『キングダム』のクランクアップだけは泣いてしまうんです。何でなんですかね? かかわっているキャスト・スタッフの数が多いからか、あと、信を演じているからかもしれないです。

信は周りに対して壁がない人だから、感情がパカンと解放されている状態で。信としてクランクアップを迎えるので、涙も自然に出てしまう。今回もすごいことを皆で乗り越えたという感覚がすごくありましたし、これで終わりという寂しさも少しありました」

信と仲間たちの関係や、描かれている物語など、全部が撮影とリンクした。人間の感情のシンプルなところ、根本の大事な部分をすごく揺さぶられる作品だと、改めて感じられたという。

「自分の直感を大切にして本能型でいきたい」

日本映画史上に残る戦場とドラマを描き、俳優としてまた一歩成熟した山﨑賢人が次に挑むものはなんだろう。

(撮影:長田慶)

「これから、時代も変化してどんどん面白い作品が作られていくと思うので、自分自身もワクワクしながら楽しみながらやっていきたい。それを見た人が、元気になったり、人生においての気づきを感じさせることが出来たら良いですね。

ジャンルも、役もそうだし、1つのことじゃなくて色んなことをやっていきたい。プレイヤーとしては、計算せずに自分の直感を大切にして本能型でいきたいと思います」

“自分の生きる道は自分で切り拓く” 『キングダム』で天下の大将軍を夢見る、信の言葉だが、己の道を歩み続ける山﨑賢人の覚悟と重なってみえた。

(文中敬称略)

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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