アラサーのための戦略的「人生相談」--この連載はマニュアル的すぎませんか?(その1)

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 4つ目は、まさにリスクに関すること。「リスク・マネジメント」とは、(1)「リスクを読む」、(2)「リスクを消す、もしくは下げる」、(3)「現実化したリスクに対処する」の3つから構成されています。現実化したリスクはすでにリスクではなく、クライシスですから厳密に言えば(3)は「クライシス・マネジメント」ですね。

私が1980年代後半のトヨタカップのプロデューサーだった頃は、ひたすら「リスク・マネジメント」への対応に忙殺されていましたよ。この話は拙書『極私的サッカー見聞録』の中に書いたので、ご興味があればそちらをお読みください。

そもそも「リスク」というのがラテン語の「リスカーレ」に由来し、語源の意味は「新しいものに挑戦する」という意味だと、名著『リスク』の中で著者のバーンスタインは述べています。

「リスク」が「挑戦」を意味するというのは実に示唆的ですね。「リスクがない」というのは「挑戦しない」ってことなんでしょうね。今の日本の閉塞状況を招いた根本的な原因は、もしかしたら「リスクがない」ことを「よし」としてきた私たちの考え方にあるのかもしれません。


ひろせ・いちろう
 1955年生まれ。東京大学法学部卒業。80年、電通入社。トヨタカップを含め、サッカーを中心としたスポーツ・イベントのプロデュースを多数手掛ける。2000年に電通を退社し、スポーツ・ナビゲーションを設立。その後、独立行政法人経済産業研究所の上席研究員を経て、04年にスポーツ総合研究所を設立し、所長就任。江戸川大学社会学部教授を経て、多摩大学の教授として「スポーツビジネス」「スポーツマンシップ」を担当。著書に『Jリーグのマネジメント』『スポーツマンシップ立国論』など。現在東京と大阪でスポーツマネジメントスクールを主宰し、若手スポーツビジネスマンを育成している。
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