アラサーのための戦略的「人生相談」--この連載はマニュアル的すぎませんか?(その1)
でもね、マニュアルは確かに有効なんです。最初に「やり方(How to)」から入るのは絶対におススメしませんが、私、実はマニュアル支持派なんですよ。
世の中には、マニュアル軽視派や、マニュアル否定派の方が多数いるのは事実です。
曰く、「マニュアルに頼りすぎるな」とか、「マニュアルには心がない」だとか、「マニュアルどおりにいくんだったら、世の中苦労しない。現実はマニュアルとは違う」だとか。これらのご意見は一面では確かに正しい。
が、しょせんそれは一面でしかありません。「マニュアルは、なぜ不要か?」という一面だけで、「なぜ必要か?」には答えていないでしょう。「必要論」と「不要論」の両論を検討したうえで、要不要を判断する。それが大人の判断というものです。
私がマニュアルを支持する根拠
では、「必要な根拠」は何か。
第一に「効率化」が挙げられます。我流でやると1カ月かかるものが、初期段階のやり方を教えてもらえば、1週間でできるなんてこともあるでしょう。
2つ目が平準化です。マニュアルのおかげで、マクドナルドのハンバーガーは世界のどこで食べても一定の基準を満たしているので安心でしょう。
確かに、仕事には「マニュアル化できる部分」と「できない部分」があります。「マニュアル化できない部分」の代表が「トップマネジメントの決断」です。つまり、「戦略」にかかわることです。
この人生相談では「戦略」が1つのメインテーマになっていますが、戦略の策定と実行のプロセス自体は、一定のマニュアル化が可能なんです。しかし、同じマニュアルに従って、同じプロセスを経ても、結論として策定した「戦略」は個々人で異なります。なぜなら、インプットする情報の軽重の付け方は、各人の価値観によって異なるからです。