デフレ圧力再燃か、注目の「ブルウィップ効果」 日本でも製商品在庫が増加、先行きに注意

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今後は一部のボトルネックとなっている部品の問題が解決していくことが予想される。その過程で、一部の調達しすぎた原材料や部品では「意図せざる在庫」の積み上がりが問題視される可能性があるだろう。生産調整・ディスインフレ(低インフレ)のマグマがたまっているとみられ、注意が必要である。

なお、日本の卸売り・小売りの「製商品在庫判断 DI」 をみると、卸売りではやや積み上がり傾向にあるが、小売りでは在庫の積み上がりはまだ確認できない。

この点はアメリカと異なり、現状では「小売り→卸売り→メーカー」という順序で在庫調整圧力が波及していく「負のブルウィップ効果」の兆候はなさそうである。だが、前述したようにメーカーの在庫水準は高いことから、先行きのリスクとして認識しておく必要があるだろう。

まずは、「ブルウィップ効果」の問題が先行するアメリカで「メーカー在庫」の調整リスクが顕現化してくるか否かに注目したい。

末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト

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すえひろ とおる / Toru Suehiro

2009年にみずほ証券に入社し、債券ストラテジストや債券ディーラー、エコノミスト業務に従事。2020年12月に大和証券に移籍、エクイティ調査部所属。マクロ経済指標の計量分析や市場分析、将来予測に関する定量分析に強み。債券と株式の両方で分析経験。民間エコノミスト約40名が参画する経済予測「ESPフォーキャスト調査」で2019年度、2021年度の優秀フォーキャスターに選出。

2007年立教大学理学部卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学修士)。2014年一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略・経営財務コース修了(MBA)。2023年法政大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了(経済学博士)。

 

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